ロマネスクの聖堂をめぐっていると、美しい空間のなかに、思わず微笑んでしまうような造形があります。10世紀後半から12世紀につくられたロマネスク美術は、古典古代の規範からも、近世ルネサンスの価値観からも自由な、西洋美術の歴史のなかでもとくべつな時代、と私は考えています。今回のアクセサリは、青花が本づくりを主とする会なので、中世写本をテーマとし、彩飾写本の華である「ベアトゥス黙示録註解写本」のうち、ロマネスク期の2冊をえらびました。しっかりと大地に根づいた聖堂を思わせる、存在感のあるアクセサリ。こんな御時世だからこそ、心はずむものでありますように。(金沢百枝/美術史家)


ロマネスク・アクセサリ|ベアトゥス写本

監修|金沢百枝+制作|佐藤祐子
ネックレス・ピンバッチ・ブローチ
シルバー製・石(サファイア・ガーネット)

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https://shop.kogei-seika.jp/products/list.php?category_id=24







ロマネスク・アクセサリ(ベアトゥス写本)は美術史家の金沢百枝さん監修、アクセサリ作家の佐藤祐子さん制作によるシリーズです。

ベアトゥス写本はあざやかな色彩とのびやかな線の挿絵が魅惑的な中世の写本群です。原本はスペインの修道士ベアトゥスによる「ヨハネ黙示録」の註解書(776年)で、10-13世紀の彩飾写本約30冊が現存しています。

そのうち『ウルジェイ・ベアトゥス』と『サン=スヴェール・ベアトゥス』より、モチーフを選びました。




『サン=スヴェール・ベアトゥス』 ファクシミリ本


モチーフについて   金沢百枝

『ウルジェイ・ベアトゥス』 レオン王国 10世紀末
十字架......悪しきものからの守りを表します
天使の翼......翼のつけ根のぐるぐるなど、勢いのある表現が独特です

『サン = スヴェール・ベアトゥス』 フランス南西部 11世紀半ば
星......天上世界を表す星は、白い花のように描かれています
小鳥......殉教者の魂を表しています
木......小鳥たちが集う楽園の木々でしょうか











監修|金沢百枝 Momo Kanazawa
美術史家。多摩美術大学美術学部芸術学科教授。西洋中世美術、主にロマネスク美術を研究。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。理学博士・学術博士。2011年、島田謹二記念学藝賞。2016年、サントリー学芸賞。著書に『ロマネスク美術革命』(新潮社)、『ロマネスクの宇宙 ジローナの《天地創造の刺繍布》を読む』(東京大学出版会)、共著に『イタリア古寺巡礼』シリーズ(新潮社)。
twitter@momokanazawa

制作|佐藤祐子 Yuko Sato
東京生まれ。2006年、武蔵野美術大学卒業。アクセサリーメーカーでのデザイン職、ジュエリー作家アシスタントを経て、2012年独立。
http://yukosato.com
Instagram@yukosato_o

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