〈初めてmon Sakataの服に触れたときの衝撃を覚えている。(略)形に古さを感じさせないある種の抽象性、新鮮さと同時に安心感を得るものだった〉(安藤雅信「期限のないもの」『編む・つなぐ』)

〈最初から服としてデザインされるというより、坂田さんの日常のなかからふと姿を現わす日常の延長としての服。(略)本当に普遍的であるということはそういうことではないかという気がする〉(土田真紀「服と味噌の関係」同)

〈坂田さん(注・古道具坂田)の世界観を考えるうえでは mon Sakata の存在が重要です〉(村上隆「バブルラップ展で伝えたかったこと」『工芸青花』12号)

今年最後の展示は、mon Sakataの代表でありデザイナーの坂田敏子展です。「DM」はここでは展示案内等の葉書のこと。DMも服もおなじ感覚でデザインしている、との敏子さんの言葉(ちょっとおどろきました。服というものにたいする距離のとりかたに)からつけたタイトルでした。大学卒業後、グラフィックデザイン事務所づとめを経て、坂田和實さんと結婚、出産。古道具坂田の店内で自作の子供服を販売したのがmon Sakataのはじまりです(1977年)。うえで引いた村上さんの言葉は、和實さんの本の担当者だった私も共感するところです(ちなみに村上さんはこの記事でつぎのようにも述べています。〈mon Sakataの在りかた自体も、服飾業界で画期的、先駆的、発明的であったはず。ローバジェットで少量生産、ハイブランドほど高価ではなく、しかし庶民的な価格でもない。家族的経営で品質のよさをキープしつつ、ビジネスとしても成功、継続しています。(略)この在りかたこそまさに生活工芸、等身大の表現行為だと思っています〉)。

いまでは毎月のように各地のギャラリーで展示会があるmon Sakataの服。今展はそうした機会とはすこしことなるかたちで、敏子さんの仕事の〈抽象性〉と〈普遍〉性を考えてみたいと思います。(菅野)


会期|2019年11月29日(金)-12月8日(日)
   *11月29日は青花会員と御同伴者のみ
時間|13-19時
会場|工芸青花
   東京都新宿区横寺町31-13 一水寮101(神楽坂)


講座|坂田敏子+三谷武|mon Sakataと私
日時|11月29日(金)19時-21時
会場|一水寮悠庵
   東京都新宿区横寺町31-13 (神楽坂)
定員|25名
会費|3500円 *青花会員は2500円
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=301


坂田敏子 Toshiko SAKATA
デザイナー。mon Sakata代表。1947年生れ。1977年、子供服の店「mon Sakata」を「古道具坂田」の一角を借りて始める。現在は大人の服を展開。「シンプルななかに、最低限の何かを落しこみたいと願いながら服作りをしています。今回は、一般的な服から一歩離れたものを展示します」



むつかしい   三谷武(デザイナー/MITTAN代表)


mon Sakataの服について、という文章の依頼を受けて長い時間書きあぐねているのは、何よりその服があまりに自由で、何かしらの文脈で語ろうとすればするほどその合間からすり抜けていくような、本質からどんどんと離れていくような感覚になったからです。……二晩考えても結局これだけしか捻り出せない、こんな硬い結び目のような凝り固まった僕の思考も、坂田さんと話をするときっとすぐにスルリと解きほぐされる、あら、これで良かったのだと思える。mon Sakataの服もそんな感じです。









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