
会期|2026年9月23日(水祝)-10月7日(水)
*9月23・24日は⻘花会員限定
休廊|9月30日
時間|12-18時
会場|青花室|東京都新宿区矢来町71 新潮社 soko3F(神楽坂)
監修|山内彩子(Gallery SU)
協力|岸真理子・モリア
対談|岸真理子・モリア+堀江敏幸|クートラスと私たち
日時|9月25日(金)18時半-20時
会場|青花室
ロベール・クートラス Robert Coutelas
1930年パリ生れ。石工として働いたあとリヨンの美術学校に通い、1958年パリに戻る。1959年と1968年にパリの画廊と契約するが、画廊の注文に耐えられなくなり、どちらも自ら契約解除。その後は画材を買う余裕もない困窮のなか、手札大に切ったボール紙に油絵で描いた「カルト」、グアッシュ、テラコッタなどの制作に没頭。1985年パリで逝去。遺作を受け継いだ岸真理子・モリア氏の尽力により、没後数十年を経て東京とパリのギャラリーでの個展や作品集の出版によって再評価の気運が高まる。美術館での展覧会は、2012年シャルトル美術館、2015年渋谷区立松濤美術館、2016年ベルナール・ビュフェ美術館、アサヒグループ大山崎山荘美術館にて開催。

今展によせて 山内彩子(Gallery SU)
2003年11月号の『芸術新潮』に掲載された「無神論者の聖人 ロベール・クートラス」という記事。いまはなき銀座のギャラリー無境で開催された展覧会にあわせて企画されたものです。没後20年近くの歳月を経て忘れられた存在となっていたクートラスに、初めて光を当てた展覧会と記事でした。
記事の執筆者は、堀江敏幸さん。そして担当編集者は、当時『芸術新潮』編集部に在籍していた菅野康晴さん。クートラスの遺言により作品を受け継いだ岸真理子・モリアさん、クートラスの友人だった画家の橋場信夫さんとともに、ギャラリー無境にスタッフとして勤め始めたばかりの私もお手伝いしました。
のちに菅野さんが『工芸青花』を創刊し、そこで堀江さんが7年間にわたり連載した「ロベール・クートラスをめぐる断章群」が、このたび新潮社から単行本として出版されることになりました。出発点となったあの記事から、23年。この歳月のあいだにクートラスをめぐる状況は大きく変化しました。2010年に初作品集『僕の夜』(エクリ)が刊行され、その出版記念展を、私が同年に立ち上げた Gallery SU ほか COW BOOKS、POSTALCO で開催。その後も日本で作品集の出版や美術館での展覧会が続き、ここ数年は本国フランスでも再評価の気運が高まっています。それでもまだ謎多きクートラスの生涯が、この本のおかげでひもとかれることでしょう。
岸真理子・モリアさんが、『僕の夜』のあとがきにこう記しています。「いつか、クートラスのような“アナーキーで哲学的で、内気で孤独な冒険者たち”が、彼らの魂が疲れ果てている時に、このカルトと思いがけない遭遇をしてもらえたら……。クートラスの遺したカルトが、彼らの胸に、ほんの小さな火でもともしてくれれば……」。堀江さんのご著書の出版を記念する今展が、クートラスが遺した灯火を皆さんに手渡す機会となることを願っています。

2|ロベール・クートラス。パリの自宅兼アトリエで
3|ロベール・クートラス《僕のご先祖さま》 1979年 グアッシュ、紙 35×27cm
