7月1日(土) 晴

午後から店番。川内倫子さんの写真集『Hallo』 をめくって先日読んだ小津安二郎監督の言葉を思い出す。「泥土と蓮の根を描いて蓮を表わす方法もあると思います。しかし逆にいって蓮を描いて泥土と根をしらせる方法もあると思うんですよ」。夜。『安藤忠雄 野生の肖像』を丸の内の丸善にて購入する。


7月2日(日) 晴

川内倫子さんのトークイベントを小林エリカさんをお迎えして行う。鈴木ビルの地下にて。冒頭、倫子さんが自然に対する畏敬という言葉を用い、そこから、「神々に近いかたちを見る」というお話を展開されたが、それがいま自分が山形ビエンナーレで工芸を通してやろうとしている視点に通じるところがあり勇気づけられる。夜。『安藤忠雄 野生の肖像』を読む。


7月3日(月) 晴

14時、柴山さんと店舗にて「畏敬と工芸」説明会の打ち合わせ。夜。今年は夏目漱石生誕150周年なので、『草枕』とグレングールドの音楽の組み合わせで、 ニューヨークやロンドン、パリなどで「一冊の本を売る書店」を実現できないかと妄想していたが、なかなか状況が整わず、『草枕』の朗読会だけでも行いたく、 その打ち合わせを行う。


7月4日(火) 雨

朝の新幹線にて京都へ。京都駅から地下鉄にて東山駅へ。あたらしくできる和久傳のゲストハウスを見学。書棚に収める本の相談。外は大雨。祇園のBooks & Thingsへ移動し、ヨゼフ・スデクの写真集を見せてもらう。雨おさまらず。その後、あたらしくなった「京都やまほん」に向かう。大雨だがオーナーの山本忠臣さんがいるような予感が的中。川合優さんの木工作品を購入。近所のA&S京都店をたずねて三条大橋のたもとの内藤商店まで歩く。刷毛を購入。雨対策としてLLbeanのブーツを着用して正解。夜の新幹線で帰宅。


7月5日(水) 晴

午後、渋谷のドゥ マゴ パリにて柴山さんと「畏敬と工芸」説明会の打ち合わせ。その後、明治通り沿いのスマートニュースのイベントスペースまで歩き、「本の未来を探す旅 ソウル↔東京、日韓『本屋』トーク」に登壇。ソウルからは、THANKS BOOKSの代表、イ・ギソプさん、BOOK BY BOOKを姉妹で運営するキム・ジンヤンさん、カウセリング形式の本屋のジョン・ジヘさん。日本からは、「フリーランス書店員」の久禮亮太さん、B&Bの内沼晋太郎さん。ソウルではあたらしい感覚の書店が出店ラッシュらしい。終了後にゴールデン街に移動しThe Open Bookにてレモンサワーをいただく。


7月6日(木) 晴

午前、三越伊勢丹のブランド「BPQC」の撮影。京橋の千疋屋にてランチにカレーライスをいただく。東京駅から新幹線で金沢へ。車内で『安藤忠雄 野生の肖像』を読む。金沢市内のおでんの名店「大関」にて会食。その後、竹俣勇壱さんにひがし茶屋街を案内していただく。金沢東急ホテルに宿泊。


7月7日(金) 晴

午前。歩いて犀川大橋を渡り対岸のアンティークショップENIGMEへ。オープン前だったが5年ぶりお会いする店主の佐藤双葉さんが開けてくださる。その後、犀川添いを歩いて辻和美さんのfactory zoomer/shopに行き、また犀川を渡って、竹俣勇壱さんのKiKUを訪ねる。その後、factory zoomer/gallery、金沢21世紀美術館、Books under Hotchkiss、鈴木大拙記念館、およよ書林と巡り、夜の新幹線で帰宅。


7月8日(土) 晴

朝の新幹線で山形へ。「畏敬と工芸」の説明会に登壇。会場はとんがりビル。山形ビエンナーレは東日本大震災の後を受けて東北地方でどんな芸術祭が可能かという問いかけも含んでいると思うので、自分としては、工芸に落とし込まれているかもしれない自然への畏敬を探る展示を試みたい。説明会の後に「そば処 庄司屋 御殿堰七日町店」でそばをいただき、山交バスに乗って地元の寒河江市へ。自宅に宿泊。


7月9日(日) 晴

午前。寒河江駅前の旅館一龍へ。櫻鳴同窓会寒河江支部総会にて講演。櫻鳴同窓会は山形西高校の同窓会組織で、幹事の奥平玲子さんがお声がけくださった。いま取り組んでいる仕事について話をさせていただく。帰り際にセレクトショップのGEAに立ち寄ると社長の佐藤さんが立木の枝を切っていたので挨拶をする。


7月10日(月) 晴

午前の新幹線で東京へ。人形町へ移動しアクロス ザ ヴィンテージ本社にて不肖私のシャツをつくる企画の打ち合わせ。素材の質感、襟のかたち、ポケットのかたち、着丈などを検討していく。秋頃の完成を目指す。人形町から蛎殻町まで歩き、永福屋シャツ店の店頭をのぞく。


7月11日(火) 晴

東銀座の老舗喫茶店ミモザにて細川拓さんからインタビュー取材を受ける。15時に青山一丁目に移動しアパレルブランドのコーエンのコレクションを拝見。会場で菅家明彦さんと合流し、中華料理店福蘭にてビールと餃子、焼売をいただく。店内に冷房なく異国の街の屋台にいるような雰囲気。GINZA SIXのTSUTAYA書店に移動し、アントニン・ レーモンドの資料を探す。


7月12日(水) 晴

午前、店内にて写真家の須田誠さんと打ち合わせ。10年越しで撮りためていたシリーズがついに写真集になる。午後、シャネルにて「東京墓情 荒木経惟×ギメ東洋美術館」を拝見。


7月13日(木) 晴

「ペーパースカイ」編集長のルーカスさんと打ち合わせ。スイス特集号の販売と、スイスの風景を描いた佐々木愛さんの作品の展示をするという企画。文化出版局「ミセス」の銀座特集の撮影。斜向かいのDRESS NYC 81さんにてヘッドスパをしてもらう。メゾンエルメスにてエマニュエル・ソーニエ展「ATM tempo I/II/III セロニアス・モンクに捧ぐ」のレセプションに参加。


7月14日(金) 晴

夜、日本ヴォーグ社の編集者の森岡さんと店舗にて企画の打ち合わせを行う。森岡という名字は少なくご縁を感じる。


7月15日(土) 晴

午後、吉祥寺にてターセンさんと遭遇し将来的にベーカリーを起業することが可能かどうかを少々相談する。恵比寿に移動しPOSTにて川内倫子さんの動画作品を拝見。


7月16日(日) 晴

午後、鈴木ビル地下にて川内倫子さんトークイベント。POSTの中島佑介さん、写真家の濱田祐史さん、私が聞き役になる。終了後に小林エリカさんも合流し会食。ゴールデン街のThe Open Bookに移動し3階でレモンサワーをいただく。


7月17日(月) 晴

午後、恵比寿の某所にてピアニストの永田ジョージ、麻美子さんの結婚式の参列。昨年のクリスマスイブに銀座の路上でお二人に遭遇したときのことを思い出す。あの日は確か教文館で絵本を買った帰りですごく寒かった。会場で渡邉康太郎さん真理子さんご夫妻、高橋基郎さんと合流。映画ゴッドファーザーで見たような結婚式の一場面。新郎のお父様のピアノで、新婦のお母様が「スマイル」をうたうという場面で宴もたけなわをむかえる。


7月18日(火) 曇のち雨

刺繍作家のAtsumiさんの『刺繍のエンブレム A to Z』展の初日。午後、ヨネイビルのアンリシャルパンティエにてアイスコーヒーをいただく。雹が降る。


7月19日(水) 晴

自宅にて終日原稿を書く。


7月20日(木) 晴

午後、 銀座7丁目の資生堂ビルにて成田久さんと12月の企画の打ち合わせ。夜、恵比寿の写真集食堂「めぐたま」にて、写真のギャラリーをあたらしく開業しようとしているKさんと物件や内装について妄想を行う。


7月21日(金) 晴

鎌倉駅にて「港の人」の井上さんと待ち合わせて合田ノブヨさん宅へ。9月に予定している合田佐和子『90度のまなざし』展の相談。その後うつわ祥見に向かい祥見さんに挨拶。 BANKを訪ねてビールをいただく。


7月22日(土) 晴

午前、京都の和久傳「丹」に書籍を発送。阿佐ヶ谷CONTEXT-Sにて石神さんと札幌でのイベントの相談。午後、はじめて月島Sへ行く。木造住宅がひしめく月島の一角に確かに月島Sはありました。夕方、丸ビルの廊下にて合田佐和子『90度のまなざし』朗読 会の打ち合わせ。その後、日本経済新聞のギャラリー特集の打ち合わせ。


7月23日(日) 晴

Atsumiさんとともに終日お客さんをお迎えする。


7月24日(月) 晴

午後。本多康司さんの写真と写真集『madori』の搬入。その後に日本橋三越東京アルチザン展の打ち合わせの予定が入っていて、着替えてから出席するつもりだったが、着替えをしていたら遅刻してしまいそうだったので、そのままで日本橋へ向かう。途中、名刺も忘れていることにも気づく。大切な最初の打ち合わせというのに……申しわけございません……。企画のテーマは「一冊・一駅・逸品」。


7月25日(火) 晴

午前、長女と上野の国立西洋美術館へ。小学校行事での同館を見学。展示室の階段のかたちにひかれて撮影。東京文化会館の精養軒にてカレーをいただく。夜。本多さんと電車を乗り継ぎ原宿のイートリップへ。新保夫妻と合流し会食&本多さんのお誕生日のお祝い。


7月26日(水) 雨

朝6時の新幹線にて京都へ。和久傳ゲストハウスの本の搬入と飾り付け。現地にて三浦哲生さんと合流。三浦さんに本棚のスタイリングを手伝ったいただく。室町和久傳にて昼食。設え、器、風味、食感、手さばき、もてなし、お庭、音。五感で感じられるすべてが洗練されていることに感服する。和久傳の桑村祐子さん、様々ご配慮をいただきありがとうございました。新幹線にて名古屋へ。ガラス作家の長野史子さんと作品集づくりの相談。feel art zeroにて開催されているルーシー・リー展を拝見。久しぶりに正木なおさんに挨拶をする。近所の太陽ビルのエントランスがすばらしく撮影。夜の新幹線にて帰宅。


7月27日(木) 晴

午前、荻窪のかつら文庫にて石井桃子さんが撮影した写真についての取材。かつら文庫は石井さんのご自宅に開設された児童図書館。新潮社の編集者の三浦朋子さんと共に石井桃子さんが欧米に留学した際に撮った写真についてお話をうかがう。昼食に中村屋のカレーをいただき、丸の内線にて銀座に移動。gggの特別展「長友啓典展」に参加。会場で竹尾有一さんと合流しルパンでハートランドを2杯。長友さんに献杯。


7月28日(金) 晴

午後、銀座のキンコースで資料を出力して神保町へ。某社にて「生活工芸美術館」構想のプレゼンを行う。その後にラドリオに移動しアイスコーヒーを1杯。生活工芸という言葉の定義をやはり自分なりにもはっきりさせる必要があるだろう、美術館には作品や資料のアーカイブという役割があるからその点も考えなくてはならないないだろう、などなど考える。スマイルズの兵藤さんと合流し「workwithoutwork」のキャプションの修正について相談する。


7月29日(土) 晴

午前、神保町の書店巡り。南洋堂書店をはじめ、古書ビブリオ、風月堂書店をのぞき学士会館にてクラーク博士のカレーをランチにいただく。午後、銀座6丁目の花椿にてライターの小澤典代さんに「大切なもの」というテーマで取材をしていただく。松村書店の松村さんから預かったライターについて。夕方、sowhatにてアイスコーヒーを1杯。


7月30日(日) 晴

昨日南洋堂書店で見た『Three Japanese Architects Maekawa Tange Sakakura』が欲しくなり電話するとまだありますとのことなどで引き取りに行く。こういう時はすでに売れてしまいましたとか言われる場合が多いが購入できて幸運。午後から店番。本多さんと共にお客さんをお迎えする。


7月31日(月) 晴

午後、領収書をあつめて月末の経理を行い、銀行で各種支払い。平井かずみさん搬入。夕方代官山に移動。悦勝まりこさんの「東京まりこの部屋」に参加。


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森岡督行 yoshiyuki morioka

「森岡書店」主人。1974年山形県生れ。著書に『BOOKS ON JAPAN 1931-1972 日本の対外宣伝グラフ誌』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『写真集 誰かに贈りたくなる108冊』(平凡社)、『荒野の古本屋』(晶文社)、『東京旧市街地を歩く』(エクスナレッジ)など。「青花の会」編集委員。
facebook:yoshiyuki.morioka.7


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