撮影|森岡督行(2点とも)

4月1日(月) 晴

午後、京王線に乗車して柴崎駅へ。雑誌『サブシークエンス』で紹介されていた「服とタイポグラフ」の展覧会へ。5月の松本69クラフトストリートで今年はこの雑誌を販売する。「服とタイポグラフ」はアルファベットの活字の形から服をデザインしている。赤ワインの澱で染めたテキスタイルにも関心があり、同会場で作品を展示してもらえないか相談する。六本木に移動し、六本木駅で号外を手にする。新しい元号は令和になった。アクシスにて企画の相談。銀座に移動し、松屋裏のギャラリーで半藤一利さん、保坂正康さん、南伸坊さんたちによる「ずっこけ文人画展」を拝見する。半藤一利さんは夏目漱石「草枕」の入浴場面を描いていた。裸の女性の後ろ姿。半藤さんとお会いするのは初めてだったが絵の解説をお聞きすると「漱石の作品の中で裸を描いた描写はかなり少なく、『草枕』で女性の入浴の場面が詳細に描かれている」「これは、当時画家の黒田清輝が女性のヌードが美しいかどうかという議論をしていて、それに対する夏目漱石の答えがこの場面に現れている」。


4月2日(火) 晴

13時、神保町に移動。某社の方々に生活工芸美術館(仮)の概要を説明する。機会のある限り意見を述べていきたい。16時、小田急線で豪徳寺に移動し編集工学研究所へ。来年所沢にオープンする角川書店の図書館の説明会。選書の方向性をお聞きする。


4月3日(水) 晴

朝、イイダ傘店の飯田さんがご来店。搬入・飾り付けを行う。15時、MUJI HOTELにて資生堂『花椿』編集部の方々と合流しライブラリーを見学。MUJI BOOKS文庫の『秋岡芳夫』を購入。夜、店内にて飯田さんとトークイベントを行う。


4月4日(木) 晴

午前、ひねりやにて、中川原信一さんの出版記念イベントの打ち合わせ。その後、店番。夜、新宿3丁目に移動し、らんぶるにて「機内で読みたい本」をテーマにしたインタビュー取材を受ける。飛行機や新幹線で移動する際何を読むかを考えるのは楽しい。それには理由があるはずで……。


4月5日(金) 曇

午後、谷中の未来定番研究所の1周年記念イベントに参加する。18時、馬喰町に移動。アガタ竹澤ビルにて1階部分の物件の使用方法についての相談。食を生産する人を中心にしたギャラリーやスナックとして運営していけないかなど。その後、「新しいことを始めたいときに読む本」をテーマにしたインタビュー取材を受ける。小澤征爾『僕の音楽武者修行』をあげる。場当たり的なチャレンジから、人との出会いが生まれる。若さあふれる突破力。読んでいるとこちらも馬力がもらえる。


4月6日(土) 晴

雑司が谷駅で降りて明治通り沿いを池袋の方に歩き「うぐいすと穀雨」へ。鈴木菜々さんが入ってきて驚く。トーストのセットを注文し鈴木さんと話をする。鬼子母神を参拝し、上川口屋と並木ハウスを確認。そのまま徒歩で山手線の西側に出て明日館へ。木工作家の富井貴志さんの展覧会を拝見。別館の方からピアノの音がしたので、中に入ってみると、壇上のグランドピアノの調律をしている。扉にカギはかかっていない。席はたくさんあるが、私以外誰もいない。しばらくその様子を眺める。外の桜は満開。池袋駅に移動して植田志保さんの制作現場を訪ねる。毎日、植田さんに植物を届ける方がいるという。


4月8日(月) 曇のち雨

13時、富ヶ谷へ。谷尻直子さんが主催する、「ひとてま」にてランチをいただく。吉田直嗣さんや寒川義雄さんの器の数々。使いこまれた佇まい。金継ぎした茶碗に人参ごはんの取り合わせ。たくさんいただいたのにお腹がすっきりしていることに気づく。自家製コーラの風味に驚く。代々木上原に移動し「社員食堂」にて休憩。その後、ラウンダバウトに足を運ぶと、ちょうど小林和人さんが2トン車の前で出荷作業をしていた。自分も同乗して銀座まで行く。17時『本をつくる 書体設計、活版印刷、手製本――職人が手でつくる谷川俊太郎詩集』刊行記念展の搬入。雨の中、編集者の方が販売用の本を手持ちで運んできてくださり拍手が起こる。


4月9日(火) 晴

午後、銀座にて宮本武典さんと次回の山形ビエンナーレ・プレ企画の打ち合わせ。山形県に点在する建築のガイド本として出版しようとするもの。継続できる作品をつくろうと考える。山形県立博物館が所蔵している、ブルーノ・タウトやシャルロット・ペリアンが指導した工芸品にも興味がある。17時、うぐいすと穀雨の鈴木菜々さんがご来店。来月予定している本の出版イベントの打ち合わせ。


4月13日(土) 晴

午後、川崎市高津区のspecial source atelier galleryにて、モリソン小林さん、高里千世さん、中村大介さんの作品を拝見。産廃所を横目にギャラリーにたどり着いたときのコントラストたるや。


4月15日(月) 晴

朝のあずさに乗車し、松本へ。三谷龍二さんの新しい漆工房でのお花見に参加。住所を頼りに、該当地付近に行くが、場所がよくわからない。右往左往していると、車に乗った人が自分を見て会釈をして通り過ぎていく。自分は三谷龍二さんと似ているところがあるので、きっと間違えているのだろう。そうこうしていると、同じように迷っている安藤明子さんと合流。どうやら道を下った先に現場があるよう。桜の花はまだ咲いていなかったが、蕾が徐々に膨らんでいく様子が感じられた。中村好文さんの替え歌に合わせて、歌を歌ったり、ダンスを踊ったりして過ごす。


4月16日(火) 晴

午前、ワタナべマキさんがご来店。『旬菜ごよみ365日』展の準備をはじめる。開店と同時にたくさんのお客様が入店してくださり、ワタナべマキさんと共にお迎えする。夜、小林和人さんとGINZA SIXの蔦屋書店へ。小林さん推薦の『たたずまいの美学』を求め、ライオン銀座7丁目店へ。柱に「祝創建85周年」のポスターがあり、それを眺めつつ生ビールを1杯いただく。


4月17日(水) 曇

午前、日本テレビの情報番組の取材を受ける。その後、ひねりやにて1960年代の銀座の写真集を出版する相談。夜、六本木の文喫にて渡邉康太郎さんたちと読書会を行う。本は、東浩紀『ゆるく考える』。自分があまり手にしない分野だろうということで。このような読書会を定例にしようと話す。


4月18日(木) 晴

午後、中目黒のスマイルズへ。スープストックトーキョーで展開する葵フーバーさんがデザインするグッズ企画の相談。その後、神宮前のナチュラルシューストアに移動。「ましこのうた」の会に参加。ボーカルの石塚明由子さんによる即興演奏を中心としたライブイベント。ギタリストのイシイタカユキさんとの阿吽の呼吸。


4月23日(火) 晴

12時に白金へ。某ホテルにて生活工芸美術館(仮)の相談。15時、銀座に移動しソニーパークの椅子に腰をおろして珈琲を飲みながら所沢の図書館に陳列する本の選択を考える。そうしていると島本塁さんに声をかけられる。トキイロの近藤友美さんと合流し企画の相談。その後資生堂ギャラリーへ。映像作家・荒木悠さんによる、LE SOUVENIR DU JAPONを拝見。ピエール・ロティの『秋の日本』(1889年)のテキストと、現代の日本の映像と重なって、約100年の間に変わったことと、変わらなかったことが、交差して見える。外国人の見た日本の風景はふだん気づかない視点も多く、それをお土産にもらったように思う。山市ビルの1階のバーでグラスワインを1杯いただく。夕方からAtsumiさんと共に店番。


4月24日(水) 雨

11時、上野へ。国立西洋美術館にてル・コルビュジエ展を見学。その後、東京文化会館の精養軒に移動し、チャンディガールでピエール・ジャンヌレがデザインした椅子を用いた企画が何かできないかという相談をする。14時、荻窪に移動して某案件の相談。その後、春木屋のラーメンをいただく。丸ノ内線で銀座に戻り店番。夜、銀座ひねりやにてフリー編集者のTさんと面会し企画の相談。今日は企画の相談が続いた。


4月25日(木) 晴

午前、東小金井の三菱UFJ銀行ATMにて今月の支払いを済ませる。13時、浦和駅のIさん宅へ。浦和駅に降りるのは、おそらく21年ぶりだろう。浦和伊勢丹の古書市に当時探していた古書を求めて来た記憶がある。Iさんの旦那さんが撮った1960年代銀座の写真を拝見する。なんとIさんは、第3次日本工房でアルバイトをしていたという。あらためてその時の様子もお聞きしたい。16時、豪徳寺へ。編集工学研究所にて選書の進行具合の確認。


4月26日(金) 晴

10時、新宿伊勢丹の虎屋カフェにて趙彗さんと合流して深センでの企画展の詳細をつめる。当初予定していた会期が延期になる。11時、らんぶるに移動し、菅家さんと馬喰町アガタ竹澤ビル1階の企画について相談を行う。どのようなかたちであれ誰がやるかが大切になるという話など。13時、同じくらんぶるにて、東野翠れんさんと岡野隆司さんと面会し、5月の展示の打ち合わせを行う。翠れんさんに手作りのTシャツをつくっていただくことになる。15時、GINZA MUJI HOTELにて新潮社のKさんと待ち合わせ。来年出版予定の内藤礼さんの書籍の出版記念イベントの打ち合わせを行う。夜、Atsumiさんのトークイベントを開催する。Atsumiさんは繊細な針仕事を続けているが、視力が1.5くらいある。


4月27日(土) 晴

午前、自宅にてミナペルホネンCallでのフリマに出品する荷物をまとめ青山へ。会場のスパイラルの前にはすでに整理券を求めてたくさんの方々が並んでいる。持参したのは、ふだん使っている器やカトラリーなど。急いで並べ付けを行うが、値付けが間に合わないものがあり、その分は口頭で伝えることにする。10年ほど使っているアスティエの小皿は、売れなくてもいいという値付けをしたつもりだったが、すぐに売れる。20年ほど履いているデニムは買い手が付かなかったが、となりは遠山正道さんのブースで、一緒に売れないデニムの売り込みを行い、すごく楽しい。16時に終了し、近所の山田守自邸で開催されているtalk to meの展示会を拝見。その後、丸の内に移動して、和久傳の新しいギャラリー「白」にて辻村史朗さんの展示を拝見。ちょうど杉本博司さんと小柳敦子さんもお見えになっていたので、7月に講演を開催したいむねを相談する。


4月30日(火) 晴

今日から『うぐいすと穀雨のパンとお菓子』出版記念展。開店前の12時にはすでにお客さまが並んでくださっているので整理券を発行する。夜、うぐいすと穀雨の鈴木菜々さんの座談会を行う。ご病気を克服されていまのお仕事についたことに胸を打たれる。





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