撮影|森岡督行(3点とも)

2月1日(土)

昨年8月上海でお世話になった宋小瑶さんから「コロナに罹った」というメッセージが届く。中国でコロナウイルスが拡散していることを実感する。


2月2日(日)

山形県立図書館のリニューアル記念講演にファシリテーターとして登壇する。まずはロバート・キャンベル先生が「文学が紡ぐ人々の『絆』」をテーマに講演。その後、山形と文学をテーマにクロストークだが、Jブンガクの収録時のキャンベル先生の淀みない話の展開や、一誠堂書店時代に『米欧回覧実記』の参考書の依頼を受けたこと、一誠堂書店が保管していた中村真一郎の和本の蔵書を調査しに来ていたことなど、ざっくばらんに対談する。キャンベル先生は講演後すぐに会場を後にする。私は、群言堂の山形店に立ち寄り、ほうじ茶とレッグウォーマーを求める。


2月5日(水)

朝の新幹線で京都駅へ。京都駅構内でフォトグラファーの原田さんと合流し琵琶湖へ。『hinism』に掲載する神保真珠商店の杉山知子さんを取材する。今日の琵琶湖の風は強く、雪も降っている。杉山さんは子供の頃、家族で琵琶湖で泳いでいた。風が湖水の流れをつくり、空の色が水の色になるという。琵琶湖の淡水の真珠は消滅しようとしていた。杉山さんは琵琶湖の真珠を残そうと思った。杉山さんのお父さんは家業を継ぐなと言った。杉山さんは自然と人が作る形の不思議に魅せられ、真珠の売り先を遠くの異国から日本へ変えた。夜、京都駅から東京駅へ。ニュースでは横浜港のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で、乗客乗員の健康状態の確認やウイルス検査などが行われていると伝えていた。


2月6日(木)

午前、発酵文学研究会の初会合を渡邉康太郎さん朝吹真理子さん夫妻宅にて行う。参加したのは、ドミニク・チェンさんと小倉ヒラクさんと私。発酵茶やチーズを食べながら、発酵文学とは何かについて言葉を交わす。発酵たこ焼きなるものも。ぬか床のように具体から永遠を考えていきたい。まずはドミニクさんが岡倉天心の『茶の本』について、「発酵」という観点から発表することになった。またあわせて、陸羽の『茶経』も読んでみようという話をする。4月に開催予定。


2月7日(金)

東京駅丸の内南口のとらやカフェにて、某氏と伊藤昊の写真集の方向性について相談する。夕方の新幹線で山形へ。山形市内にて、『ひとり歩きの山形建築ガイド』の執筆リサーチメンバーとお疲れ様でしたの会を催す。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の感染者4人が静岡県の病院に搬送されたことが話題になり感染が拡大しないといいねという会話になる。


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