青花の講座でもっともながくつづけているのは金沢百枝さん(美術史家)の中世キリスト教美術、そのつぎが河島思朗さん(古典学者)のギリシア・ローマ神話です。今展の出品者、骨董商の毛涯達哉さんと知りあったのは、そのふたつの講座の会場でした(どちらがさきだっかはおぼえていませんが)。住まいがサンクトペテルブルクなので、毎回ではないのですが、来てくれたときは話をするようになり、展示をお願いすることになりました。会期の前半はおもに古代美術(スキタイ、ギリシア、ローマほか)、後半はキリスト教美術(ビザンツ、ロシア正教)を展示販売します。古美術のたのしみは、歴史を知るたのしみ、という毛涯さん。ロシアを拠点に欧州内外を旅しつつ(ウェブにたよらず、とにかく街をさまようそうです)あつめた品々をぜひ御覧ください。


会期|7月25・26・27・28日(木金土日)
   8月1・2・3・4日(木金土日)
   *7月25日は青花会員と御同伴者のみ
時間|13-19時
会場|工芸青花
   東京都新宿区横寺町31-13 一水寮101(神楽坂)
出品|毛涯達哉(ルィノク・ヴレメニ)


講座|金沢百枝+河島思朗+毛涯達哉|古代と中世の西洋骨董
日時|7月25日(木)18時半-20時半
会場|一水寮悠庵
   東京都新宿区横寺町31-13 (神楽坂)
定員|25名
会費|3500円


毛涯達哉 けがい・たつや
骨董商。1980年東京生れ。東北大学で古環境学、古生物学を専攻。大学院中退後、クラシック音楽関係の会社に就職。仕事の合間に独学でロシア語を習得し、2014年にサンクトペテルブルクへ移住。ロシア内外を旅しつつ、オリエント及びロシア正教の美術品を中心に紹介している(屋号は「ルィノク・ヴレメニ」)。学術的知見を重んじつつ、日本的感性に訴える蒐集を目指す。ロシアではアマチュア・ピアニストとしても活動。



今展によせて   毛涯達哉

始まりはロシア中世の指輪との出会いでした。地中から出てきたそれらは様々で、どれがどの時代のものかなど全くわかりませんでした。しかし、様式別に分類することにより、時代区分が見えてくることを知りました。それは生物学的な形質遺伝とは異なります。数百年間も意図的にデザインが引き継がれていたり、ある時点で淘汰されていたり。様式の歴史を学ぶことで、緑青に覆われた指輪が輝き始めました。

地元のエルミタージュ美術館に通ううちに、次第に古代美術の魅力に引き込まれていくのですが、幸運だったのは、ロシアが歴史的変遷の多い土地だったこと。黒海沿岸を例にとれば、キンメリア、スキタイ/ギリシア、ローマ、ビザンツと、かなりの文化的厚みです。日本ではあまり知られていませんが、キリスト教の本流ともいえる正教会、そしてロシアの共和国内にはイスラム国家も数多くあります。とても魅力的な国です。

いまでも古物の資料を求めて各地の博物館、遺跡に頻繁に足を運びますが、仕事に限らず、歴史や美術史を知ったうえでその土地を訪れる楽しみは、美しい景色、美味しい食事の喜びをも凌駕するものです。今展では、モノを通して歴史を知る喜びを、みなさんと共有できたらと願っています。























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