20160525

5月21日(土)は建築家・中村好文さんの講座「住宅設計入門」でした。連続講座の2回目は見学会、中村さんが設計した鎌倉、葉山、大磯の住宅をめぐるツアーです。

最初に訪ねたのは若い御夫婦のお住まいです。1階に仕事場、キッチン、寝室を集め、2階は畳敷の広間に大きな窓という、緩急の構成が見事です。居心地よい広間で車座になって昼食をとったあと、2軒目へ。こちらは靴を脱がずに庭と室内をゆききできる、開放感あふれる間取り。家具もほとんどが中村さんの作で、さまざまな椅子を座り比べることもできました。3軒目は海を見下ろす絶景の場所で、テラスにテーブルと椅子を運び出し、ビールとワインの杯を重ねて夕景、夜景を堪能しました。

それぞれの家で住み手の方のお話をうかがい、周辺環境やライフスタイルに寄りそった工夫を知り、気になる細部はメジャーで測って……と、課題制作のヒントをたくさん得られたのではないでしょうか。天気にも恵まれ、あっという間の1日でした。U








20160524

今週末の金土日、松本で「六九クラフトストリート」と「工芸のウチソト展」に参加します。今年は噂のユニット「ハヤシモリ」も初参加、27日には5連続トークもおこなうなど、一気に充実しました(写真はチラシです)。

青花の会は本や器(坂井咲子さんの染付磁器)、ロマネスク・アクセサリのほか、金沢百枝さんセレクトによるカンタ(インドの古布)やオランダの古いサンプラー(練習用の刺繍布)などをならべます。ここ数年、参加しているのですが、いつもさわやかな気候で、気持も晴れ晴れします。お待ちしております。S






20160521

5月19日(木)夜、自由学園明日館(池袋)にて、河島思朗さんの講座「古代ギリシア・ローマ神話10」を開催しました。今回は「オリンポスの神々2」として、クロノスの長女ヘスティアーをとりあげます。

ヘスティアーの物語はほとんど残されていませんが、じつは古代ローマでとても大事な神でした。ローマではウェスタと呼ばれ、竈・炉の神であることから家庭の、ひいては国家の守り神として信仰されていました。ウェスタ神殿で「火」を守る6名のウェスタの巫女は、任期の30年間、処女でなくてはならず、破った場合は死刑になったそうです。処女である理由については古くから議論されていたようですが、処女が古代ローマの家父長制の外にあり、男性と同等の権利を持っていたことによるようです。神話が単なる物語ではなく、日常に根差していたことの顕著な例がヘスティアー(ウェスタ)とのことでした。

次回は6月16日(木)、ゼウスの物語の予定です。U
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=79




20160519

先週14日(土)夜、新潟の北書店で、金沢百枝さんの講座「ロマネスク美術革命3|かいじゅうたちのいるところ」をおこないました。副題はそう、センダックの絵本から。お話はまず、この動画から。
https://www.youtube.com/watch?v=C5ZT9aB_7cY

じつはこの日の午後、新潟市美術館でも金沢さんの講演がありました。舟越桂展の関連企画で、ヨーロッパの木彫史をたどり、舟越作品にたいするときの視座を提示するものでした。話の冒頭は展示されていた舟越さんの手帖のこと(パリのクリュニー美術館をたずねたときのスケッチと言葉)でしたが、それは彫刻家ならではの、きっと彫刻家にしか吐露できないであろう言葉で、痛切なところもあり、打たれます。展覧会の会期はまだあります。
http://www.ncam.jp/exhibition/3176/

北書店でのお話は予告どおり、ロマネスクの旅の名場面集といったふうで、ほとんどの旅に取材で同行しているので、なつかしい気持になりました。風景や人、料理などの紀行的な話がきけてよかったと店主の佐藤さんもよろこんでくれました。今年はスイスにゆく予定です。

講座のあとは金沢さん、佐藤さんや美術館の方々と近所の居酒屋へ。ずっとのんでいて、最後の店はクリーニング店のなかにあるセルフの酒場でした。講座にいらしてくださったみなさん、数日前の膝の大怪我にも平然と私たちをむかえてくれた佐藤さんに感謝します。

金沢さんの講座の次回は東京で、来週26日(木)です。お待ちしております。S
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=77




20160516

今週木曜日(19日)は、古典学者・河島思朗さんの講座「ギリシア・ローマ神話」です。受講者の方から「その知的愉悦はエーコの『薔薇の名前』を読むよう」といううれしい感想をいただいた講座、今回もひきつづきゼウスほかオリンポスの神々の話です。おさらいからはじまるので、はじめての方でもとまどいなく御参加いただけると思います。お待ちしております。S

■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話10
□5月19日(木)18時半@自由学園明日館(池袋)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=76

前回の講座の様子です。
https://www.facebook.com/kogei.seika/
posts/1102908226413889





20160513

6月の催事の御案内です。すでにお知らせしている「青花の会|骨董祭」にあわせて、工芸講座を2日間おこないます。

収集家の山本野人さんの会は酒器ほか古陶鑑賞会の趣向。展観といってもよいくらいの作がならびます。陶芸家の内田鋼一さんは茶碗論です。内田さんのやきもの話はいつも新鮮かつ得心があります。実作と論の両立のありよう、知見の幅と質ということでは、加藤唐九郎のよう(むろんタイプはちがいますが)と思うことも。

あと、高木さんの講座で福岡の杉工場へゆけることも6月のたのしみです。おとずれた人みなが空間の心地よさを話してくれます。S

■青花の会|骨董祭2016
6月4日(土)11時@la kaguほか(神楽坂)
6月5日(日)11時@la kaguほか(神楽坂)
http://kogei-seika.jp/seikafes2016/index.html

■講座|工芸と私4|山本野人|骨董40年
6月4日(土)14時@MGP矢来スタジオ(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=82

■講座|工芸と私5|内田鋼一|茶碗と私
6月5日(日)14時@MGP矢来スタジオ(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=83

■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ15
6月9日(木)18時半@自由学園明日館ホール(池袋)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=80

■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話11
6月16日(木)18時半@自由学園明日館(池袋)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=79

■講座|高木崇雄|工藝とはなにかー柳宗悦から4|花は、笑み
6月18日(土)15時@杉工場(うきは市)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=84




20160510

写真はイギリス、サウスダウンズ地方チチェスター大聖堂の持送り彫刻です(11世紀)。増築された図書室の棚のうえにかくれていました。

〈『工芸青花』編集長の菅野さんと一緒にロマネスク聖堂をめぐりはじめて10年近くになります。イギリス、ノルウェー、イタリア、フランス、スペイン……いろんな旅がありました。今回の新潟では、そうした旅のなかでもとくに印象にのこるロマネスク作品を厳選し、教会美術とは思えないくらい奇妙でおちゃめな彫刻の意味を探ります〉(金沢百枝)

今週土曜日(14日)夜に、新潟の北書店で金沢さんのロマネスク美術講座をひらきます。タイトルは「かいじゅうたちのいるところ」。モーリス・センダックの絵本論のなかには、ロマネスク論としても読めそうなところがあります(たとえば以下の「子どもたち」を「修道士たち」にかえると)。

〈恐怖と不安は彼らの日常生活の本質的な一部であるということ、(略)子どもたちがそれらから解放されるのは、空想(ファンタジー)によってなのです。それは「かいじゅうたち」を飼い慣らすために彼らが持っている最上の手段なのです〉

北書店の佐藤さんとは、アノニマスタジオ主催の「ブックマーケット」で知りあいました。たまたまブースがとなりで、青花をはじめるまえだったのでいろいろ相談したりしました。その縁で(たぶん)、『工芸青花』を1号からとりつづけてくれています。新潟へゆくとかならずゆきます。
http://kitashoten.net/

金沢さんはおなじ日の昼にも、新潟市美術館で開催中の舟越桂展で講演します(西洋の木彫作品について)。こちらもたのしみです。
http://www.ncam.jp/exhibition/3176/

新潟の方も、とおくの方も、金沢さんが愛する「かいじゅう」をみにきてくれたらうれしいです。S

■講座|金沢百枝|ロマネスク美術革命3|かいじゅうたちのいるところ
□5月14日(土)19時@北書店(新潟)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=75




20160506

4月におこなった3講座の報告です。

4月21日(木)夜、自由学園明日館(池袋)にて、河島思朗さんの講座「古代ギリシア・ローマ神話9」を開催しました。今回のテーマは「オリンポスの神々1」です。ゼウスやアテネなど、いよいよ今回から、ギリシア・ローマ神話として一般によく知られるオリンポスの神々の物語を読み解いていきます。

これまではギリシアとローマの神話をほぼ同じように扱ってきましたが、今回はギリシア神話とローマ神話の違いについてのお話もありました。オリンポス山に住むといわれる「オリンポス12神」も、じつはメンバーは定まっていませんでした。ギリシア語のアフロディーテが、ラテン語のウェヌス(英語のヴィーナス)と同じ神を指すのも、ギリシア神話とローマ神話が融合した痕跡のひとつで、比較言語学や歴史的な背景にまで話は及びました。

次回は5月19日(木)、しばらくオリンポスの神々の物語が続きますが、少しずつ復習しながら進むので、はじめての方もぜひ御参加ください。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=76

4月24日(日)昼、MGP矢来スタジオ(神楽坂)にて、木村宗慎さんの講座「古美術入門4|精華抄より」を開催しました。東京でははじめての「古美術入門」講座です。今回は「余白―鑑賞の方法」と題し、ものを鑑賞するときには、背景にあるもの、ワキのものを知ることが大事という話をうかがいました。

『工芸青花』1号及び4号の「精華抄」に掲載された李朝青花の優品を実際に手にして鑑賞しながら、参加者のみなさんもその余白を愉しみました。次回は7月24日(日)午後です。詳細決りしだいお知らせします。

4月27日(水)夜、自由学園明日館(池袋)にて、中村好文さんの講座「住宅設計入門」を開催しました。全5回の連続講座の第1回です。まずは受講者のみなさんに、参加理由や住んできた家のことなどについて話していただき、最終課題が決まりました。都内某所を想定し、いくつかの条件がついた小住宅を設計します。中村さんからは、設計に使う道具の紹介や、サイズ感を培う方法も教えていただきました。

後半は優れた小住宅についてのスライドを用いたレクチュア、そして金沢21世紀美術館での個展における小屋制作のドキュメンタリーなどを見て、盛りだくさんの初回が終わりました。みなさんがどのような住宅を設計するのか楽しみです。*本講座の募集は終了しています。U








20160501

『工芸青花」5号ですが、ようやくできあがり、さきほど梱包作業を終えました。会員の方々には明日発送します。「ゆうメール」は休日の配達がないので、6日(金)以降のお届けになってしまいそうです。

今号から、巻頭に「世界の布」と題して、裂の実物を貼りこむ連載をはじめました。美術史家の金沢百枝さん監修で、1回目はインドの古布カンタです(写真)。〈着古したサリーや男性の腰布を数枚重ね、全体を滑らかな運筆で手縫いします。女性が家族のために作る日用品で……〉

1冊ごとに色も、柄も、手縫いのあともことなります。こちらもいろいろと思います。裂を貼り、番号を捺し、表紙をとじて箱におさめる、という作業をくりかえしていると、本が、物をはこぶいれもののように思えてきます。

目次などは以下です。ウェブサイトでの販売もはじめました。今号も、どうぞよろしくお願いします。S
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=88






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