20180427

日野明子さん監修「産地とはなにか」展、はじまりました(於神楽坂一水寮/5月13日まで/木金土日13-19時)。
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〈小さい時から、人の働く姿を見るのが好きだった。少し大きくなってからはものが好きになった。一人で旅行に行くようになり、日本には、土地それぞれの歴史があり、風土があり、そこに息づく、それぞれのもの作りがあることを知った。/産地に行くことが仕事となり、それぞれの場所ならでのストーリーを知ることが面白くて仕方ない〉(日野明子)
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あさって28日(土)は日野さんの講座「産地のいまとこれから」です。
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180401.html





20180425

明日から「ひとり問屋」日野明子さんによる「産地とはなにか」展です(於神楽坂一水寮/5月13日まで/木金土日13−19時)。さきほどまで、展示作業する日野さんのよこでお話をうかがっていました。知らないことばかりです。今展では80歳代4人の力強い仕事も紹介されています。日野さんは初日その他、幾日か在廊してくださるそうです。
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180401.html
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以下はあらたによせていただいた文章「産地とはなにか」より。今週土曜には日野さんの講座「産地のいまとこれから」も開催します(15時)。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=226
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〈産地の崩壊、と言われることがありますが、それは、/・素材が多様になり、安価に作れるものも出てきたので、売高が減った(購買の選択肢が増えて、一個の工場からの出荷額が減ることも、ままある)/・機械化され、分業の一部が不要になった/・職業の選択肢が増えた(産地の仕事は往々にして、単純労働だが、それ以外の仕事を選べるようになった)/・昔ながらの〈思い込みの金額〉の呪縛から、継続を断念する(手間の割に値段を安くつけていたものを、手間相当の値段につけることができずにいる産地は多い)*ただし、自分の技術もないのに、安易に値段を上げるのは、言語道断。手間と使う価値が見合って、初めて人は「買おう」と思うものです。価値には「品質」「希少性」なども加わるので、値段のつけ方の正当性は、いつも、考えさせられます。/・就業の年齢が上がることで、技を習得するのに時間がかかるようになった(時間はかかるが、年は取っているので、賃金は高くなる)/・技の習得までの時間が耐えられなく、辞める者も多く、人が育たない/などがあります。悪いことばかりのようですが、この情報化で、良くなったこともあります〉











20180424

今年も「青花の会|骨董祭」をおこないます(6月8−10日@神楽坂)。
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今年も東京神楽坂で「青花の会|骨董祭」を開催します。出展者は36軒、日本、東洋を主に、世界各地のよりすぐりの品々が集います(6月9日と10日で展示替あり)。
〈骨董とは何か?/美術史によって定義づけられた国家民族の美意識を顕彰するのは国立博物館をはじめとする美術館・博物館である。それらは国家の永続と所蔵する美術品の永遠性を理念として成立している。/いっぽう骨董は美術史によってではなく、持ち主個人の美意識によって意味づけられた美の一群である。その美は現実としてはもちろん、理念としても永遠性を持たない。持ち主が死ねば美意識の表現としての骨董はその美を失い色褪せる。そして主亡き後、売られ、買われ、別れ散じ、また集い、主を変えてその美を新たにしつつ、生々流転を繰り返しながらやがて滅んでいく〉(杉村理『三続・悲しき骨董』)。そう、そうしたものどうし(物と人)の、偶然で、つかのまで、けれどもかけがえのない出会い(縁)をよろこびたいと思います。企画展「骨董と私」もおたのしみに(9日と10日に開催)。
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出展者一覧(会場別)を掲載したウェブサイトももうすぐ公開します。写真は共催の大塚美術さんの出品作(撮影は奥山晴日さん)。ほかのみなさんの出品作もSNSで随時紹介してゆきます。
https://www.facebook.com/seikafes/





20180420

『工芸青花』9号の紹介のつづきです。第4章は「物と私 坂田敏子さんのスタジオ Objects with me. The Atelier of Toshiko Sakata, a Fashion Designer」。
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坂田敏子さんは mon Sakata(目白)のオーナーでありデザイナー。アトリエやスタジオに新古をとわず、ジャンルも用途もとわずにいろいろなものがかざってあって、それらにひかれてきました。その一端を紹介する記事です。
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『工芸青花』は以下の書店、ギャラリー等でおもとめいただけます。
http://www.kogei-seika.jp/about/booksellers.html
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ウェブサイトからも御購入できます。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=220





20180418

つぎの日曜(22日)15時から高木崇雄さんの講座「工芸入門3|道元と民藝」です(於神楽坂)。さきほどレジュメがとどきました。すばらしいです。〈学道は先ずすべからく貧を学すべし/随聞記〉〈仏道をならうというは、自己をならうなり。自己をならうというは、自己をわするるなり/正法眼蔵〉。ぜひ多くの方にきいてほしいと思いました。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=224





20180417

森岡督行さんのブログ「森岡書店日記」更新しました。今回は今年2月(と1月のすこし)の日記。前半はインド紀行です。
http://kogei-seika.jp/blog/morioka/030.html
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〈そのあと、ガンジーが1920年に創設したクジュラート大学へ行き校長先生を表敬訪問する。ホールに移動。カーディを纏った学生が集まり、祈りにも近い歌を歌いながら、糸を紡ぐ行事に参加。ガンジーの思想が今でも教育の基盤になっている。私は校長先生に導かれ、壇上へ。成績優秀者の発表が行われ、急遽、私が証書を手渡す係になる。おそらく、学生の目には、日本から来た高名な学者か僧侶に映っているのではないだろうか。ここはしっかり役割を果たしたい。学生の目を見て神妙な面もちで証書を手渡す〉
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インドゆきは今週18日からはじまる「Khadi インドの明日をつむぐ−Homage to Martand Singh」展(21_21 DESIGN SIGHT)の準備のためだったようです。
http://www.2121designsight.jp/gallery3/khadi/index.html





20180417

おととい(15日)は茶人の木村宗慎さんの講座「古美術入門9」でした。京橋の加島美術を会場に、主人の加島林衛さんのお話、おふたりの対談もおこないました。「美術倶楽部とヤフオクのあいだ」といった、古美術業界のこれからについて、やや意見のことなるおふたりの(危機意識にもとづく)対話は思考のヒントになるものでした。
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写真は珠光所持、加賀前田家伝来の瀬戸茶入と、そのための盆、挽家、仕服、箱、次第等々。茶入は物だけでは評価できない、伝来すなわち箱などの附属品こそ大事といいます(ただし伝来にも貴賎があり、それを権威主義以外の名でよぶことはむつかしいと私は思います)。〈いまやアートは生産するものではなく、選択・判断・命名による真摯な知的活動になった〉(小崎哲哉『現代アートとは何か』)。茶人や古美術商の方々による、過去の「名物」が色あせてみえる新「名物」の発見(選択)と創造(命名)をなにより期待しています。
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加島美術では21日から展示会「美祭」がひらかれます(5月6日まで)
http://www.kashima-arts.co.jp/events/index.html
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青花では今週ふたつの講座があります。
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■河島思朗|ギリシア・ローマ神話33|ペルセウスの系譜
□4月19日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=223
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■高木崇雄|工芸入門3|道元と民芸
□4月22日(日)15時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=224





20180413

あらたな催事(4−6月)のお知らせです。
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■展覧会|産地とはなにか
□4月26−29日+5月3−6日+10−13日@工芸青花(神楽坂)
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180401.html
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■講座|工芸と私19|日野明子|産地のいまとこれから
□4月28日(土)15時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=226
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■講座|工芸と私20|藤田康城|モノを読むひとー古道具坂田と「骨董」概念の変容
□5月10日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=227
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■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話34|ペルセウスの冒険
□5月17日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=228
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ36|聖人伝3|聖フランチェスコ
□5月31日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=229
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■講座|青柳恵介|古筆で読む和歌|藤原定家|全5回
1|6月12日(火)18時半@古美術甍堂(半蔵門)
2|7月10日(火)18時半@同
3|8月7日(火)18時半@同
4|9月11日(火)18時半@同
5|10月9日(火)18時半@同
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=230
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以下も引続き開催、募集しています。
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■展覧会|修道院の工芸:インドの刺繍とレース
□4月12−15日@工芸青花(神楽坂)
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180301.html
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■講座|古美術入門9|木村宗慎+加島林衛|日本美術の保存と継承
□4月15日(日)15時@加島美術(京橋)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=221
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■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話33|ペルセウスの系譜
□4月19日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=223
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■講座|高木崇雄|工芸入門3|道元と民芸
□4月22日(日)15時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=224
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ35|聖人伝2|新約聖書の聖人
□4月26日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=225
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■講座|大竹尚之|古楽入門|全3回
1|5月29日(火)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
2|6月26日(火)18時半@同
3|7月24日(火)18時半@同
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=222





20180412

『工芸青花』9号の紹介のつづきです。3章は「少女の刺繍布 The Embroideries by Girls in premodern era」。美術史家の金沢百枝さんとアムステルダムへゆきました。
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〈刺繡の初心者である少女(8歳から15歳くらい)が技法や意匠をまなぶために縫ったのがサンプラー。古いものでは1598年のイギリスの布(ヴィクトリア&アルバート美術館蔵)や、近年発見された1572年のオランダの布が知られています。(略)ヨーロッパ各地および移民の多いメキシコ、北米の作例もあります〉
〈ダーニング・サンプラーはオランダに多い図柄です。(略)布にあいた穴をめだたないようにつくろうために、布の織目を刺繡で模したものです。じっさいにつくろうときは地の布とおなじ色の糸をつかうのですが、サンプラーは練習なので、運 針がよくわかるように白布に色糸をもちいています〉
〈今回、アムステルダムのM氏の店(古美術商です)でみせてもらったダーニング・サンプラーは、どれも美しくて、ため息がでるほどでした。織物になぞらえた文様も波織、綾織、ダマスク織ほかいろいろで M氏によれば36種の文様が知られているそうです。むつかしい四隅の刺繡に果敢にとりくむ少女もいれば、根気がつきたのか葡萄文の途中で房がなくなり、蔓だけになっていたりする布も。まんなかからはじめる子、隅のほうからはじめる子、少女たちの無心がつたわり、こちらの気持もあたたかくなります〉
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『工芸青花』は以下の書店、ギャラリー等でおもとめいただけます。
http://www.kogei-seika.jp/about/booksellers.html
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ウェブサイトからも御購入できます。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=220
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先月まで、おもにM氏にわけてもらったサンプラーの展示をおこなっていました(金沢さん監修)。好評だったのと、ともに女性の針仕事ということもあり、いまの「修道院の工芸:インドの刺繍とレース」展でもサンプラーを展示しています。会期は15日(日)まで(神楽坂一水寮)。よろしければおはこびください。
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20180301.html





20180410

ファッションブランド「visvim」の中村ヒロキさんの収集品をおさめた本『MY ARCHIVE』。〈カテゴリーにこだわらず、その能書きも関係なく見た瞬間にはっとさせられる古いものを集めるのが好きである〉。『画家のおもちゃ箱』と『ひとりよがりのものさし』をあわせたような魅力をもちながら既視感がなく、骨董という既視感世界(平安、李朝、桃山、民芸......主義)から自由なここに(も)、骨董の未来をみたいと思いました。爽快です。編集は井出幸亮さん。掲載品の展覧会も開催中です(4月12日まで。於表参道GYRE)。
https://gyre-omotesando.com/artandgallery/my-archive/





20180409

4月15日(日)は茶人・木村宗慎さんの講座「古美術入門」です(於京橋・加島美術)。今回はゲストに古美術商の加島林衛さんをおむかえして、「日本美術の保存と継承」をテーマにお話をうかがいながら美術品を鑑賞します。この講座で一貫しているのは「美術品は道具である」ということ。美術史的知識だけでなく、それがどのように使われてきたのか、使うべきなのかを、実物にふれつつ知ることができます。〈身近で数々のお道具を拝見することができ、大変興味深く勉強になりました〉〈「手が切れそうな」の意味がよくわかりました。いくら道具をていねいに扱っているつもりでも、今日、真剣を触らせて頂いた時のようなうやうやしさ、恐れ多さは、今までありませんでした〉(過去アンケートより)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=221











20180405

今日は別府へ。鉄輪温泉の旅館「柳屋」さんで撮影でした。ふいうちのように動揺するーー古物とことなる(すぐれた)現代作品ならではの宙吊的(迷子的)体験でした。『工芸青花』の次号10号で紹介します。
http://beppu-yanagiya.jp/





20180405

西国出張中。昨日は広島。『工芸青花』を販売していただいている READAN DEAT さんへうかがいました。
http://readan-deat.com





20180402

『工芸青花』9号の紹介をつづけます。第2章は「村上隆と坂田和實 Takashi Murakami and Kazumi Sakata, the World Top Contemporary Artist and an Infulencer in Japan」。
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昨年8月、村上さんが主宰するカイカイキキギャラリーで「陶芸←→現代美術の関係性ってどうなってんだろう? 現代美術の系譜に陶芸の文脈も入れ込んで」という展覧会がありました。出品作家は李禹煥、菅木志雄、岡﨑乾二郎、日比野克彦、中原浩大、安藤雅信、坂田和實の7名。その展評というかたちで、ふだんはおもにカルチャー誌で編集執筆をおこなう井出幸亮さんに、長文(1万5000字)の論考「民藝とヒップホップの間に」をよせてもらいました。今後坂田さんと生活工芸について、すなわち骨董と工芸の現代性について考えるさいには必読の文章だと思います。もはや骨董も工芸も、ジャンル横断的に語らないと語りきれない時代になっているのです。
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〈そこにあるのは「かっこいいアメリカ、オシャレなアメリカ」だ。経済成長を遂げた日本人が、憧れの〝宗主国〞アメリカの物品を買うことができるという欲望に日本中が熱狂した。その消費の喜び、嬉しさ、熱さが、日比野の作品から強烈なストレートさをもって伝わってくると村上氏は言う〉
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〈こういった八〇年代の日本社会をある部分で体現した日比野と、「生活工芸」および坂田を対置させることで見えてくるものとは何だろう。そのキーワードは意外にも、ここでも「バスキア」であるように思える〉
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〈この村上氏の指摘はまったく鋭い。まさしく七〇年代半ばー八〇年代初頭という同時代に勃興したヒップホップ・カルチャーーDJ、ラップ、ブレイクダンス、グラフィティーと、坂田の持つアティテュードを、体制に対する「下からのカウンター」 という点において同一に評価するという視点はこれまで誰も持ち得なかった、慧眼と言って良いものだろう〉
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〈こうした見立てを押し進めていけば、「近代日本において本来的な意味でバスキアに近かったのは日比野ではなく、坂田だったのではないか」などという命題までもが成り立つかもしれない〉
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〈いずれにしても村上氏がこういったボトムアップ=「下からのカウンター」のムーヴメントに大きな価値を見出し、重要なものとして積極的に評価していることは間違いない。そうした意識は、富や権力を持つ一部の層のパトロネージによって支える伝統的な西洋型の芸術文化ではなく、マンガやアニメ、ゲームなど一般大衆が支える文化をバックグラウンドに持つ村上氏の出自を考えればごく自然なことであり、ヒップホップ、 ひいてはバスキアの存在にある種の共感を抱くこともまた当然のように思える〉
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〈坂田は骨董界の中での「オルタナティヴ」ではあったが、保守的で狭いシーンに新たな価値観を持ち込んでのし上がっていこうという野心を持っていたというよりも、そうした既存の業 界とあえて一線を引き、距離を取りながら活動してきたように見える。だからこそ、坂田の提示した価値観をいち早く積極的に支持し、また影響を受けたのはむしろ骨董の世界の外にいた、安藤を始めとする工芸家のような人々だった。そして、彼らを支持してきたのはやはり、〝生活者〞としての一般大衆だった〉
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〈こうした思想を抱えた工芸家たちは、自ら生み出す作品をあくまで生活道具として捉えており、その範疇と考えられる価格に留めることを旨としてきた。 そんな彼らの活動自体が、野放図な消費活動に明け暮れた八〇年代のバブル経済への批評であったと考える視点は的確である。そしてその精神的バックボーンとなった坂田こそ、柳宗悦には原理的に不可能であった「下からのカウンター」を成し遂げんとする人物であり、「『民藝』の先をゆく、真の敗戦後の美の基準を作ろうとした人」だという村上氏の評価にもまったく首肯させられる〉
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〈村上氏が本展を含む展覧会や各所での発言を通じて、上記のような坂田の評価や位置づけについて繰り返し言及してきたのは、こうした認識が現代日本の美術(または美に関わる)業界に圧倒的に欠けており、そのことがそれらの業界の停滞、ひいては衰退につながると考えているからだろう〉
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〈インターネットの普及、 そして生活工芸とスーパーフラットがほぼ同時期に台頭してきたことは偶然ではない。 そうした意味で、運動体としての生活工芸においては、すでにかつてのような「革新」への力や意味は相対的に小さくなりつつあるというのが筆者の認識である。しかし一方で、それが成し遂げたことの 大きさを振り返ってみれば、彼らの志向した「生活の中にある美」というコンセプトは、今や日本のみならず世界中に普及し、大量のフォロワーを生み出している〉
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〈かつては「トップダウン」として欧米から送り込まれる文化の消費に明け暮れた、その日本人の生み出した文化と物品が、今や欧米、アジア圏など幅広い国々の人々から熱い関心と尊敬の眼差しを向けられるように変化しつつある。こうした普及を担っているのもやはり〝生活者〞としての大衆であり、これはまさしくヒップホップなどと同じ〝芸術的革命〞、つまり「下からのカウンター」の動きであると思う〉
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*以下の書店、ギャラリー等でおもとめいただけます。
http://www.kogei-seika.jp/about/booksellers.html
......
*ウェブサイトからも御購入できます(目次も以下に)。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=220




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