20170830

一昨日からフランス、中世ロマネスク美術の取材です。今年はオーベルニュ地方、写真はクレルモンフェランの朝。東京神楽坂では明日から「ロマネスクと工芸」展を再開します。S
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20170801.html




20170829

今月末刊『工芸青花』8号の内容を紹介しています。以下は各章のリードです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
……
7 利休にたずねない茶会
A Tea Ceremony without referring to Sen no Rikyū

 豊橋市在住の収集家山本野人さんから、「利休にたずねない茶会をやります」ときいて、取材しました(昨年一一月)。客は陶磁学者の荒川正明さんです。茶の湯については、千家以後に成立したルールをただまもることにどんな意味があるのだろうと日ごろから疑問でした。茶は、そのときそこでなにごとかを現前させるための手段にすぎない、と山本さんは考えていて、共感しました。S




20170827

『工芸青花』8号の発送準備完了しました。手伝ってくれたみなさん、連日ありがとうございました。まず会員の方々へ、明朝ゆうメールで発送します。各地の販売店(以下)には週末到着予定です。よろしくお願いいたします。S
http://www.kogei-seika.jp/about/booksellers.html




20170827

今月末刊の『工芸青花』8号を紹介しています。以下は各章のリードです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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6 近代と数寄屋 帝国ホテル東光庵
A Room for Tea Ceremony in Modern Architecture: TOKO-AN in Imeperial Hotel Tokyo

〈今日、歌・花・香、そして茶の文化は、「伝統文化」と呼ばれている。その結果として、大切に保存・伝承されているという側面はあるが、そこには危険性や問題点も存在する。ひとつはまさに保存という面に重点が置かれるあまり、ある意味において生きたものでなくなっていることである。現代生活と距離があることが当然とみなされるような、一種の隔離保全である〉(井上治『歌・花・香と茶道』)
 こうした問題意識なしにおこなわれる、語られる伝統文化には関心をもてません。「近代と数寄屋」シリーズをはじめた理由(六号に堀口捨巳設計の八勝館)、つづけたいと思う理由は、伝統文化にたいする近代建築家の〈距離〉の意識、批評意識のありようを知るためです。S




20170826

今月末刊の『工芸青花』8号を紹介しています。以下は各章のリードです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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5 ロベール・クートラスをめぐる断章群2
Fragments on Robert Coutelas 2

 フランスの画家ロベール・クートラス(一九三〇‐八五)の「カルト」は、ほぼ定型の厚紙に描かれた小品群の呼称で、ただ描くだけでなく、描いたあとアトリエに放置されてこすれたりときにふまれたりしてかすれた痕跡がのこります。二〇一五年に東京でひらかれた回顧展には、最晩年の作なのか、そうした痕跡のないカルトがでていて、ほかのカルトとの印象の差にややおどろいたことがありました。かれもまた坂田さん(一章参照)とおなじく、「放置-ただの過去」の美を知る人だったのだろうと思います。
 堀江敏幸さんによるクートラスの評伝、その二です。S




20170825

「ロマネスクと工芸1 修道院」展、昨日からはじまりました(於一水寮/神楽坂)。今日(金)は19時まで、明日と明後日、それから来週、再来週も木金土日の12-19時にあけています。金沢百枝さんの手書きコメント多数です。S
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20170801.html










20170824

今月末刊の『工芸青花』8号を紹介しています。以下は各章のリードです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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4 民芸以外の柳宗悦
Muneyoshi Yanagi outside Mingei

 昨秋、日本民藝館で開催された「柳宗悦・蒐集の軌跡─日本の工芸を中心に」展は画期的な展観でした。なぜならはじめて〈蒐集時期が明らかなコレクションで構成した展覧会〉(白土慎太郎)だったからです(白土さんは民藝館学芸員で本展担当者)。
 展観であきらかになったことをいくつかあげると、まず「民芸」は柳の収集歴において部分的、限定的なものであること。じつは大正末頃よりはじまる「鑑賞陶器」愛好の先駆者でもあったこと。そして昭和初期にはじまる「桃山復興」よりもはやく桃山陶を評価していたこと、などです。近代日本の古美術鑑賞史において「鑑賞陶器」と「桃山復興」はともに重要な動向ですが、柳をそこに関連づけた(先駆者として評価した)論はあまりないように思います。附言すれば「骨董」を概念化したのは青山二郎、小林秀雄、秦秀雄らですが、かれらが範としたのも柳でした。
 柳宗悦が「民芸の父」であることはいまさらいうまでもないのですが、じつはもっと幅ひろく、「古美術の父」でもあったのではないか。そんなことを考えた好展でした。S




20170823

今月末刊の『工芸青花』8号を紹介しています。以下は各章のリードです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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3 沖縄の織物 新出の森政三資料より
The Fabric of Okinawa: from newly discovered collection of Masazo Mori

 森政三(一八九五‐一九八一)は札幌出身、東京美術学校(現東京藝大)建築学科卒業後、文部省技官となり、国宝重文の古建築の調査修理にたずさわりました。一九三六年(昭和一一)より那覇市首里城の解体修理工事を担当、翌年竣工。戦後一九五五年からは沖縄の戦災文化財の調査と復元計画を手がけ、五八年に首里城守礼門を再建しました。〈守礼門復元は、僅かではあるか当時の沖縄県民の心情に希望の光を灯した沖縄戦後史のトピックの一つといえる事業であった〉(上江洲安亨)
 森政三の遺品に沖縄の古裂がたくさんふくまれていると教えられたのは昨秋のこと。今春、那覇市で撮影しました(約一二〇点)。すべて織物で、ほとんどが和紙の台紙に貼られており、手書きのメモがそえられたものもありました。立ちあっていただいた那覇市歴史博物館の山田葉子さんによれば〈琉球・沖縄に産する織物のほとんどの種類が含まれ、非常にバリエーションに富んだものとなっている。素材は芭蕉、苧麻、絹、木綿、桐板と様々で、そこに使われている技術は縞、絣、浮織、絽織、花蔵織、ヤシラミ織、ロートン織など多岐にわたる。出自も、首里、那覇、久米島、宮古、八重山と広範囲である〉。
 今回はそのうち二三点を原寸で掲載しました。網羅的、調査的な森の収集姿勢からすると、紅型その他染物の裂もきっとあるはずで、いつか紹介できたらと願っています。S




20170822

『工芸青花』8号の内容を紹介しています。以下は各章のリードです。刊行は今月末、各地の販売店には9月初めからならぶと思います。ウェブサイトでの販売予約はじめました。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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2 スペインのロマネスク サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院
Romanesque Art in Spain, Santo Domingo de Silos

 なぜ『工芸青花』でロマネスクをやるのか、どんな意味があるのか、とこのところつづけてきかれたので、(六号のリードでもすこし書きましたが)あらためていうと、西洋中世のロマネスク美術の魅力は、画一的な様式(古代ローマ‐ビザンツと、ゴシック‐ルネサンス)のあいだにあって多元的、混血的であり、また怪物などの造形にみられるように人間の想像力のゆたかさ(内心の自由)にふれることができること、そしてそれを記事にする理由は、ともすれば画一化、管理化にかたむきがちな社会、集団にたいする抵抗でもあると思っていること(金沢百枝さんの目標のひとつは、いつか日本の美術館でロマネスク展をひらくことです)。思えば、ロマネスクがいいよと最初に教えてくれたのは坂田和實さんでした。
 もちろん、理屈ぬきで心うたれるものでもあります。S




20170821

今週は木曜、それから日曜にも講座をおこないます。木曜からはロマネスク展もはじまります。場所はいずれも神楽坂の路地。夏の終りに、散歩がてらぜひおはこびください。S
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■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話25|怪物たちと恐ろしい物語
□8月24日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=186
……
■講座|杉崎泰一郎|ゆたかな沈黙―ラ・グランド・シャルトルーズ修道院
□8月27日(日)15時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=189
……
■展覧会|ロマネスクと工芸1 修道院
□8月24−27日+31・9月1−3日+7−10日@工芸青花(神楽坂)
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20170801.html






20170820

今月末に刊行する『工芸青花』8号の内容を紹介しています(ウェブサイトでの販売予約はじめました)。以下は各章のリードです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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1 坂田和實論1 カケ、カスレ
On Kazumi Sakata 1: Chipped or Blurred

 骨董商の坂田和實さん(一九四五年生れ)は美術館「as it is」のオーナーでもあります。企画展と常設展があり、常設展にはおもに坂田さん自身のコレクションがならびます。これまで常設展にはタイトルがついていなかったのですが、今年三月にはじまった展示には「擦れ、欠け、シミ、色褪せ」という題がつけられていました(二〇一八年三月一一日まで)。だから私たちはそこに、坂田さんのつよいメッセージを読むべきです。
 私は「あ、かたちじゃないんだな」と思いました。道具としての原形をとどめていないものがほとんどだったからです。骨董商になって四四年、美術館をはじめて二三年、だれにも似ていない眼利きとして知られる坂田さんにとって、美は(道具の)かたちではなく、「擦れ、欠け、シミ、色褪せ」つまり「過去」なのだと思いました。茶の湯的な過去(伝来)ではありません。「ただの過去」です。
 現代の工芸作家がこの展示をみたらがくぜんとするかもしれません。あたらしくつくられたものにはこのような美(過去)はないのだから。あるいは逆に、いつかは(たとえそれが自分の死後だとしても)このような美がやどるだろうとゆだねる気持、やすらかな思いをいだくかもしれません。S




20170817

今月末に刊行する『工芸青花』8号の内容を章ごとに紹介してゆきます(ウェブサイトでの販売予約はじめました)。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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9 骨董とはなにか
What really is Antique in Japan?

〈骨董とは何か?/美術史によって定義づけられた国家民族の美意識を顕彰するのは国立博物館をはじめとする美術館・博物館である。それらは国家の永続と所蔵する美術品の永遠性を理念として成立している。/いっぽう骨董は美術史によってではなく、持ち主個人の美意識によって意味づけられた美の一群である。その美は現実としてはもちろん、理念としても永遠性を持たない。持ち主が死ねば美意識の表現としての骨董はその美を失い色褪せる。そして主亡き後、売られ、買われ、別れ散じ、また集い、主を変えてその美を新たにしつつ、生々流転を繰り返しながらやがて滅んでいく〉(杉村理『三続・悲しき骨董』)
 露伴がいうように骨董が富裕者の趣味でしかないとしたら、編集者としてははなはだやりがいのないことです。そうではない骨董論の書き手はいないものでしょうかと古美術商の今出川さんに話したところ、杉村さんの私家版の本を貸してくれました。冥利につきる出会いでした。S




20170816

『工芸青花』8号、先日校了し、今月末に刊行します(以下、目次です)。ウェブサイトでの発売(予約)はじめました。全国30-40ヶ所の書店、ギャラリー他でも販売します。これから各章のリード等、順々に紹介してゆきます。S https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=192
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1 坂田和實論1 カケ、カスレ……僕達の選択/高木崇雄

2 スペインのロマネスク サント・ドミンゴ・デ・シロス修道院……ゆるされる人/金沢百枝+中世の修道院/小澤実

3 沖縄の織物 新出の森政三資料より……「戦前」を伝えるノート/上江洲安亨+裂地解説/山田葉子

4 民芸以外の柳宗悦……蒐集と愛蔵のかたち/白土慎太郎+柳宗悦の思想 救済と芸道について/井上治

5 ロベール・クートラスをめぐる断章群2……闇の動線に沿って/堀江敏幸

6 近代と数寄屋 帝国ホテル東光庵……村野藤吾の格闘/内藤廣+劇的な露地/木村宗慎

7 利休にたずねない茶会……緑釉陶器と嵯峨朝の宴/荒川正明+みやびる/山本野人

8 川瀬敏郎の花……深みと軽み 花人のなげいれ/桐谷美香

9 骨董とはなにか……末期の姿を想い見る/杉村理

世界の布+精華抄




20170814

8月・9月の催事のお知らせです。
……
8月24日(木)から、神楽坂のギャラリー工芸青花で「ロマネスクと工芸1 修道院」展をおこないます。監修は美術史家の金沢百枝さん。修道院(ラ・グランド・シャルトルーズ)でつかわれていた器(写真)や、中世の聖堂タイルほかの工芸品、ヨーロッパ各地の修道院からとりよせた蜂蜜、オイル、石鹸等の品々、ロマネスク聖堂の写真や絵葉書も販売します。会期中には、2014年公開のドキュメンタリー映画『大いなる沈黙へ』の舞台、ラ・グランド・シャルトルーズ修道院についての講座も開催します。
……
■展覧会|ロマネスクと工芸1 修道院
□8月24−27日+31・9月1−3日+7−10日@工芸青花(神楽坂)
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20170801.html
……
■講座|杉崎泰一郎|ゆたかな沈黙―ラ・グランド・シャルトルーズ修道院
□8月27日(日)15時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=189
……
9月の講座です。
……
■講座|中村好文|住宅設計入門1
□9月13日(水)18時@自由学園明日館(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=188
*受付終了しました
……
■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ29|新約篇10|受難伝4
□9月22日(金)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=190
……
■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話26|軍神アレースの物語
□9月28日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=191
……
以下も引続き募集しております。
……
■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話25|怪物たちと恐ろしい物語
□8月24日(木)19時@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=186




20170811

工芸史家・高木崇雄さんのブログ「工芸入門」更新しました。今回は「小石原と小鹿田」です。〈それぞれの産地はそれぞれの歴史を作り続けます。近代日本が国策として生み出した「美術工芸」の影響を受け、個人の確立を試みる小石原、「民藝運動」の影響で歴史を書き換え、共同体という物語を受け入れる小鹿田、いずれも変わり続けることにおいて違いはありません〉
http://kogei-seika.jp/blog/takaki/007.html
……
〈去る7月5日から6日にかけての九州北部豪雨は福岡県東部から大分県西部にかけて、大きな被害をもたらしましたが、それは小石原・小鹿田といった同地域の窯業地においても例外ではありませんでした。土や釉薬を作るための唐臼と呼ばれる道具が流され、採土場が崩れるなど、復旧にはまだまだ時間と人手を要し、それぞれの地域において支援が求められています。ご協力いただけますと幸いです〉
……
小鹿田焼復興支援基金募集サイト
http://ontayaki.support/
(小石原)東峰村ボランティアセンター https://www.facebook.com/tohovc/




20170810

「包」の境展(於神楽坂)、今日と明日で会期終了です(10・11日/12-19時)。会場では関連書籍やドキュメンタリー映像も御覧いただけます。写真は「HOW TO WRAP_」山本考志さんによる花紋折り(とは折紙作家内山光弘がかつて考案したもので、民藝館も所蔵。山本さんはそれを再生、変奏する作家)。青花カラーの新作です。S
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20170701.html




20170806

〈「包」の境〉展(@神楽坂)、商品追加しました。藁という素材が合理的だった時代の世界(うしなわれた世界)を想像すること、それが今展の作用のひとつでした。写真は中国の室内履と中央アジアの岩塩入。今日(6日)は19時まで、来週10・11日で会期終了です。S
http://www.kogei-seika.jp/gallery/20170701.html




20170804

國學院大学博物館で「モノの力・ヒトの力」展がひらかれています(10月9日まで)。縄文、石器時代から現代まで、工芸の「作用」について考えるヒントになります。明日5日(土)は15時から縄文学者小林達雄さんのトークもあります。写真は縄文の石棒と赤木明登さんの漆棒。S
http://museum.kokugakuin.ac.jp




20170802

森岡督行さんのブログ「森岡書店日記」更新しました。今回は今年6月の日記。〈おそらく坂田さんは、自分のもの選びを徹底的に行うことによって、二元論の問題にも取り組んでいたのではないだろうか。私にとってはそれも坂田さんの凄いところで、その回答は、もしかしたら数年前、松濤美術館に出品された珈琲のフィルターに現れているのかもしれない〉
http://kogei-seika.jp/blog/morioka/022.html




20170801

GINZA SIXの蔦屋書店で『工芸青花』フェア。8号刊行記念のはずでしたが、未刊のため4号、5号をおいていただいています。8号の記事にちなんで展示は沖縄特集に。観宝堂さんの御協力により、古陶いろいろ、芭蕉布の古裂や平良敏子さんの稀少な反物も販売しています(9月まで。展示替あり)。S






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