20200229

新刊『工芸青花』13号より
Kogei Seika vol.13
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2|川瀬敏郎の花 杉本家住宅
Flowers by Toshiro Kawase at Sugimoto Residence in Kyoto

花人の川瀬敏郎さん(一九四八年生れ)の花、今回は京都の杉本家住宅(一八七〇年。重文)でいけています。

〈杉本家は、寛保三年(一七四三)「奈良屋」の屋号をもって烏丸四条下ルに呉服商を創業し、明和元年(一七六四)、現在地に移った。京呉服を仕入れて関東地方で販売する、いわゆる他国店持京商人として繁栄した〉〈現在の主屋は元治の大火後に再建され、棟札によれば明治三年(一八七〇)四月二三日に上棟〉〈間口三〇メートル、奥行五二メートルの敷地に建つ主屋は表通りに面する店舗部と裏の居室部を取合部でつなぐ表屋造りの形式を示している。京格子に出格子、大戸、犬矢来、そして厨子二階に開けた、土塗りのむしこ窓。すべてが昔ながらの、典型的な京町家のたたずまいである。町家としては市内最大規模に属し、各一間半の床と棚を装置した座敷、独立棟として西に張り出した仏間、大きな台所などに特色著しいものがある〉(奈良屋記念杉本家保存会ウェブサイトより)

『工芸青花』一〇号の川瀬さんの花(唐物籠)も、杉本家でいけたものでした。その後、今年(二〇一九年)六月に、川瀬さんは杉本家で花会をおこなっています。以下は、会にさいして川瀬さんが綴った文からです。

〈伯牙山(注・祇園祭の山鉾のひとつ)のお飾り所になっている店の間を抜けると、そこは外の祭りの喧騒が嘘のように、静まりかえっていました。あたかも神社の奥宮のような静謐な気配を湛えた座敷には、瀟洒な気品高いハレの日の室礼がさりげなくされており、清浄な別天地を見る思いがしました。子供心にも、「ここは特別なお家だ」と感じ入りました〉

杉本家は、仏文学者杉本秀太郎(一九三一—二〇一五)の生家であり、暮した家としても知られます。和漢洋につうじたその文業は、なにより精神の自由をもとめた江戸期の文人をつぐ一面をもつものでした。今回の花には、そうした文人精神への敬意がこめられています。S

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20200228

新刊『工芸青花』13号より
Kogei Seika vol.13
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1|スイスのロマネスク ミュスタイアのザンクト・ヨハン修道院
Romanesque Art in Switzerland, Kloster St. Johann in Müstair

The series introduce the Romanesque art (11th to 12th century) in Europe. Since issue no.10, we have moved on to Switzerland. The article in this issue is on the Convent of St. John the Baptist in Müstair, situated in the most eastern valley of Switzerland, just 1km away from Italy. In the Benedictine convent, the nuns continue to live their pious life as in the Middle Ages.

The foundation of the monastery is around 775, when the area was ruled by Charlemagne, the Emperor of the Frankish Empire. Although there are some renovation and damage, it is known as the amazingly intact Carolingian church.

The entire wall of the church was decorated by Carolingian fresco. When the monastery was handed over to the nuns in twelfth century, the three apses were repainted in Romanesque style. In the apses, we can see the martyrdom of three saints; St. Stephen in the south, St. John the Baptist at the centre, and St. Andrew in the north. The article is mainly on these Romanesque frescoes.

The latest issue of Mingei (December 2019) features ‘the Christian Art in the Middle Ages and Munemoto Yanagi’. Momo Kanazawa, one of the writers of this article, also contributed in the issue. According to Kanazawa, the founder of Mingei movement, Soetsu Yanagi (1889-1961) appreciated highly of Romanesque art already in 1930s. Making him one of the earliest admirers of Romanesque art in the modern era.
The following passage is of Soetsu Yanagi, cited in the article.

‘Perhaps the critical point is the appreciation of the beauty of grotesque. Now a days in Japan, this important word has attained the most vulgar nuance.’ ‘It is far from its original meaning. I believe that without the grotesque element, no religious art can be glorious.’ ‘When nature is reduced down to the deepest of the expression, the beauty of the grotesque emerges.’ From S. Yanagi, Integrity of the Faith and the Beauty, 1942.

This essence of grotesque may be the answer to why I find the white porcelain of Joseon dynasty and the Romanesque art, tasteful, though they are from a totally different background. (S)

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20200227

新刊『工芸青花』13号より
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1|スイスのロマネスク ミュスタイアのザンクト・ヨハン修道院
Romanesque Art in Switzerland, Kloster St. Johann in Müstair

西洋中世のロマネスク美術(一一—一二世紀)を紹介する記事です。前回(一〇号)につづいてスイス、今回はミュスタイアのザンクト・ヨハン修道院をたずねました。ベネディクト会の女子修道院で、いまも修道女たちが暮しています。ミュスタイアはスイスの東端、イタリアとの国境ぞいの山間の地です。 創建は七七五年ごろ、カール大帝治下のフランク王国領で、美術史的にはカロリング朝美術の時代です。聖堂の建築と壁画は改築、傷みはあるものの、カロリング美術の稀少な遺例として知られています。

カロリング期の壁画は堂内全体に描かれましたが、一二世紀末、東側の三つのアプシス(祭室/後陣)にあらたに「聖ステファヌス」「洗礼者ヨハネ」「聖アンデレ」を主題とする壁画が描かれました。それが今回の本題であるロマネスク美術です。

先日とどいた雑誌『民藝』二〇一九年一二月号の特集は「中世紀基督教藝術と柳宗玄」でした。本特集の筆者金沢百枝さんも寄稿していて、柳宗悦(一八八九—一九六一)のロマネスク評価(一九三〇年代)が世界的にもさきがけだったと述べています。

以下は同誌に再録された柳宗悦の文章から。〈恐らくグロテスクの美を捕え得るか否かで方向が決まる。近時日本ではこの大切な言葉が、卑俗極まる意味に陥って了った〉〈併し本来の意義はそんなものではない。グロテスクの要素なくして、どんな偉大な宗教芸術もあり得ない〉〈自然がかく煮つめられてその表現が濃くなる時、ここにグロテスクの美が生れる〉〈それは充実された力の現れである。「渋さの美」と人々が呼んだものは、畢竟グロテスクの美である〉(「信と美との一致に就て」)

たとえば李朝中期の白磁とロマネスク美術をともに(似ていないのに)「渋い」と感じる理由は、こうしたことなのかもしれません。S

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20200226

望月通陽《マルコという名前》 2019年 型染
Michiaki Mochizuki, His name is Mark, 2019, Katazome (Japanese stencil print)

『工芸青花』13号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
■2020年1月30日刊
■A4判|麻布張り上製本|見返し和紙(楮紙)
■カラー120頁|望月通陽の型染絵を貼付したページあり
■限定1100部|10,000円+税
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Kogei Seika vol.13
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika013.html
■Published in 2020 by Shinchosha, Tokyo
■A4 in size, linen cloth coverd book with endpaper made of Japanese paper (kozo)
■120 Colour Plates, Frontispiece with a stencil dyed art work by Michiaki Mochizuki
■Each chapter is accompanied by an English summary and all photographs are with captions in English
■Limited edition of 1100
■10,000 yen (excluding tax)
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20200225

新刊のお知らせ

『工芸青花』13号
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■2020年1月30日刊
■A4判|麻布張り上製本|見返し和紙(楮紙)
■カラー120頁|望月通陽の型染絵を貼付したページあり
■限定1100部|10,000円+税

Kogei Seika vol.13
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■Published in 2020 by Shinchosha, Tokyo
■A4 in size, linen cloth coverd book with endpaper made of Japanese paper (kozo)
■120 Colour Plates, Frontispiece with a stencil dyed art work by Michiaki Mochizuki
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20200222

あらたな催事のお知らせです。

■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話45|英雄の死:タナトスとヒュプノス
□3月19日(木)18時半@自由学園明日館(目白)
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ54|旧約篇1|創世記1|天地創造
□3月24日(火)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
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■展覧会|yamahon的工芸
□3月27日−4月5日@工芸青花(神楽坂)
*3月27日は青花会員と御同伴者1名のみ
監修|山本忠臣(gallery yamahon)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200301.html





20200221

先週の工芸祭に対談者(+赤木明登さん)として参加していただいた、高木崇雄さんのブログ「工芸入門」更新しました。記憶は記録しないとのこらない、というふうに、私は読みました。記録は美しくなくていい、とも。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/037.html

〈ガタロさんが描く絵は稚拙だけれど「魂」がこもっている、とか、底辺から社会を観察する目の素晴らしさ、といった、わかりやすい物語への回収になってしまうと、何かがずれてしまう気がする。そもそも、描かれている雑巾は、道具としても、そして絵画としても特に美しくはありません〉

写真は言及されている古道具坂田の雑巾(『工芸青花』12号より)。





20200220

美術か工芸か、という議論にはあまり関心をもっていません。生活工芸派の「生活工芸」の功績は手工芸を日用品として延命させたこと。伝統工芸のような特殊性におちいらず、かなりむりがあるなかで一般性を維持した(一般に支持された)。なぜ手工芸の一般化が大事なのか。その本質が「手さぐり」だから。「非−設計図」的だから。あらゆるものが設計されつつある社会における内部的(播種的)抵抗だからです(民藝がいう手工芸とは時代状況がちがいすぎる)。作用派が生活工芸派からうけついだものは手工芸の一般化への意志。うけつがなかったのは一般化するための方便としての「用」(道具性)。その方便なく、一般化できるかどうかはまだこたえがでていません。





20200219

明日です。

■金沢百枝+小澤実|ロマネスクとはなにか|美術史家と歴史家の対話
□2月20日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=316

講座「キリスト教美術をたのしむ」でもおなじみの美術史家・金沢百枝さんと、旧知の歴史家・小澤実さんの対談です。ふたりはこれまで『芸術新潮』のロマネスク特集、『イタリア古寺巡礼』3部作、そして『工芸青花』のロマネスク連載と、美術史と歴史ということなる観点から、西洋中世のロマネスク時代/様式について解説してきました。やはり両者が執筆したスイス・ロマネスク特集掲載号の『工芸青花』13号刊行(2020年1月末)を機に、あらためてそれぞれのロマネスク観をうかがいます(前半は小澤さんの講話、後半に対談をおこないます)。











20200217

「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」、無事終了しました。雨がちな週末に足をはこんでくださった多くの方々、出展者、出品作家、対談登壇者のみなさん、そして監修のおふたりに感謝申上げます。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

「工芸祭」と銘打ちながら、道具以外のもの、いわゆる用途のないもの、小林和人さんの言葉を借りれば「作用」派的な作が数的にもめだつ展示でした(もちろん器や衣服、装身具など「用」の良作もあり、それらを個々にみてゆく、読解してゆく必要も感じました。またpragmataの展示のように、個人作家の器を作家名をしめさずに配置し、あくまでも空間構成の一要素とすることで、器から器性を剥奪する手法もありました)。

しかしそれらは美術ではなく(村上隆さんの言葉を借りれば「美術のルール外」のものであり)、工芸には「置物」というジャンルがあったことなども想起すれば、「工芸祭」であることに違和感はありませんでした(来場したある美術館学芸員は「美術は工芸の一部だから」とも語っていました。たしかに明治以前を視野に入れればそうなります)。なにより(理念的にではあれ)作品の「終のすみか」を「美術館」と考えるか、「住宅」とするかでいえば、今回の作のほとんどが後者なので(だからサイズの小ささが重要/本質になるのですが)、その点からも工芸的(生活工芸的?)だったといえると思います(自然素材であること、手による加工であること、などがひとまずの前提ですが)。

対談時に保坂健二朗さんが、「以後」と「以外」の差はなにか、という問いを発していました。示唆的な問いでした。「以後」か「以外」か、を、作品をはかるときのものさしにできるかもしれないと思いました。たとえば古道具坂田の骨董にも、「以外」的なもの/時期と、「以後」的なもの/時期があります。「しずかなアフリカ」や「白デルフト」は「以外」的/「反ジャンル」的(○○らしくない)であり、「雑巾」や「コーヒーフィルター」は「以後」的/「非ジャンル」的(○○ではない)です(ちなみに白洲正子が評価した坂田は前者であり、村上隆さんが評価する坂田は後者です)。生活工芸派の歴史的意義は器というジャンル内における「反ジャンル」的/「以外」的意義でした。「『生活工芸』以後」を主題とした今展の諸作が、文字どおり「以後」的/「非ジャンル」的なものだったのか、それとも「以外」的/「反ジャンル」的なものだったのかは、(よしあしではなく)個々に吟味してゆかなければと、あらためて思いました。

■青花の会|工芸祭2020
□2月14−16日@BOOTLEG gallery(神楽坂/江戸川橋)
主題|「生活工芸」以後の工芸
監修|松本武明(ギャラリーうつわノート)+山内彩子(Gallery SU)
出展|翫粋(京都)/ギャラリーうつわノート(埼玉)/水犀(東京)/cite’(広島)/GALLERY crossing(岐阜)/Gallery NAO MASAKI(愛知)/Gallery SU(東京)/NOTA_SHOP(滋賀)/OUTBOUND(東京)/pragmata(東京)/SHOP & GALLERY YDS(京都)/toripie(京都/大阪)





20200216

「青花の会|工芸祭2020」、本日(16日)最終日です(11−17時@BOOTLEG gallery/神楽坂・江戸川橋)。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

主題|「生活工芸」以後の工芸
監修|松本武明(ギャラリーうつわノート)+山内彩子(Gallery SU)
出展|翫粋(京都)/ギャラリーうつわノート(埼玉)/水犀(東京)/cite’(広島)/GALLERY crossing(岐阜)/Gallery NAO MASAKI(愛知)/Gallery SU(東京)/NOTA_SHOP(滋賀)/OUTBOUND(東京)/pragmata(東京)/SHOP & GALLERY YDS(京都)/toripie(京都/大阪)





20200215

「青花の会|工芸祭2020」はじまりました。出展者とともに、作家の方々もきてくださっています。写真ではつたわらないものなので、ぜひ実見、体感していただけましたら幸いです。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

日時|2月15日(土)11-20時
   2月16日(日)11-17時
会場|BOOTLEG gallery
   東京都新宿区改代町40(神楽坂/江戸川橋)
見料|500円 *青花会員は無料

主題|「生活工芸」以後の工芸
監修|松本武明(ギャラリーうつわノート)
   山内彩子(Gallery SU)
出展|翫粋(京都)
   ギャラリーうつわノート(埼玉)
   水犀(東京)
   cite’(広島)
   GALLERY crossing(岐阜)
   Gallery NAO MASAKI(愛知)
   Gallery SU(東京)
   NOTA_SHOP(滋賀)
   OUTBOUND(東京)
   pragmata(東京)
   SHOP & GALLERY YDS(京都)
   toripie(京都/大阪)









20200212

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出品作(参考作含む)を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■toripie
大阪府大阪市西区九条2-9-14
京都府京都市左京区二条通川端東入ル新先斗町133 サンシャイン鴨川102
https://www.toripie.com/

主題|知と物作り
出品|池邉祥子(1984年生れ/衣服/京都) 滝下達(1977年生れ/木/茨城) 二名良日(1943年生れ/植物/兵庫)









20200212

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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出品作(参考作含む)を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■SHOP&GALLERY YDS
京都府京都市中京区新町通二条上る二条新町717
http://www.takahashitoku.com/contents.php?id=31

主題|転生─そして容(かたち)に生れ変わる
出品|渡邊紗彌加(1985年生れ/染織/滋賀) 陳新(1968年生れ/金属/中国・広州)









20200212

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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出品作(参考作含む)を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■pragmata
東京都中央区八丁堀2-3-3-3F-4F
http://www.pragmata-gallery.com/

主題|Hyper Market
出品|不明(あくまでもpragmataの展示であり、作家の作品はその構成要素なので、当日も作家名は明かさないという)





20200211

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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■OUTBOUND
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-7-4-101
http://outbound.to/

主題|献身としての「気晴らし」
出品|東亨(1988年生れ/金属/大阪) 伊藤敦子(1960年生れ/装身具/神奈川) 木下宝(1970年生れ/ガラス/富山) 熊谷幸治(1978年生れ/土/山梨) 鮫島陽(1995年生れ/陶/愛知) 谷口聡子(1976年生れ/編み/東京) 冨沢恭子(1979年生れ/柿渋染/東京) 芳賀龍一(1984年生れ/陶/栃木) 福井守(1985年生れ/木/兵庫) 藤崎均(1972年生れ/木/神奈川) 藤村亮太(1981年生れ/陶/神奈川) ますみえりこ(1971年生れ/からむし/埼玉) 森田春菜(1981年生れ/陶/東京) 横内みえ(1982年生れ/漆/山梨) 渡部萌(1996年/蔓・樹皮/東京)









20200211

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■NOTA_SHOP
滋賀県甲賀市信楽町勅旨2317
https://nota-and.com/

主題|inside - outside
出品|浅井万貴子(1984年生れ/陶/岐阜) 梅本敏明(1977年生れ/木/和歌山) 大村大悟(1984年生れ/木・金属・石/石川) 合田大智(1983年生れ/狩猟・金属/滋賀) 谷穹(1977年生れ/陶/滋賀) 野田幸江(1978年生れ/植物/滋賀) 古谷朱里(1974年生れ/陶/滋賀) 古谷宣幸(1984年生れ/陶/滋賀) elements(ガラス)









20200211

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■NOTA_SHOP
滋賀県甲賀市信楽町勅旨2317
https://nota-and.com/

主題|inside - outside
出品|浅井万貴子(1984年生れ/陶/岐阜) 梅本敏明(1977年生れ/木/和歌山) 大村大悟(1984年生れ/木・金属・石/石川) 合田大智(1983年生れ/狩猟・金属/滋賀) 谷穹(1977年生れ/陶/滋賀) 野田幸江(1978年生れ/植物/滋賀) 古谷朱里(1974年生れ/陶/滋賀) 古谷宣幸(1984年生れ/陶/滋賀) elements(ガラス)









20200211

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■Gallery SU
東京都港区麻布台3-3-23 和朗フラット4号館6号室
http://gallery-su.jp/

主題|風穴(かざあな)
出品|秋野ちひろ(1979年生れ/金属/埼玉)







20200210

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■Gallery NAO MASAKI
愛知県名古屋市東区葵2-3-4
https://www.naomasaki.jp/

主題|編むカタチ
出品|内田鋼一(1969年生れ/陶/三重)  中西洋人(1984年生れ/木/滋賀)  長谷川清吉(1982年生れ/金属/愛知)他









20200210

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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出品作を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■GALLERY crossing
岐阜県美濃加茂市太田本町1-7-3
https://crossing.gallery/

主題|UnFramed
出品|アラーナ・ウィルソン(1989年生れ/陶/オーストラリア) 市川陽子(1985年生れ/漆皮/京都) 林志保(1984年生れ/陶/岐阜) 和田朋子(1986年生れ/ガラス・ミクストメディア/福岡) COSMIC WONDER(1997年/衣服/京都) Light & Will(2013年/籠/京都) yasuhide ono(1985年生れ/装身具/福岡)







20200210

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出品作を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■cite’
広島県広島市中区幟町 9-1-1F
https://www.cite.jp/

主題|universum
出品|寒川義雄(1963年生れ/陶/広島) 小山剛(1983年生れ/木/長野) 矢野義憲(1973年生れ/木/福岡) COSMIC WONDER(1997年/衣服/京都) Light & Will(2013年/籠/京都) yasuhide ono(1985年生れ/装身具/福岡)









20200209

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出品作を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■水犀
東京都台東区三筋1-6-2小林ビル3F
https://mizusai.jp/

主題|trigger
出品|川井ミカコ(1952年生れ/陶・ドローイング/奈良) 金憲鎬(1958年生れ/陶/愛知) 佐古馨(1958年生れ/木・鉄/奈良) 澤田麟太郎(1981年生れ/陶/岩手) 塩谷良太(1978年生れ/陶/茨城) 西別府久幸(1986年生れ/花/東京) 日置哲也(1976年生れ/陶/岐阜) 藤岡貢(1977年生れ/陶/滋賀) 藤信知子(1988年生れ/陶/大阪) 藤本玲奈(1983年生れ/ドローイング・陶/三重)









20200209

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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出品作を紹介します。写真は出展者よりお借りしています。

■ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
http://utsuwa-note.com/

主題|飾りの行方
出品|黒木紗世(1989年生れ/漆/石川) 澤谷由子(1989年生れ/陶/石川) 新宮さやか(1979年生れ/陶/京都) 松田苑子(1986年生れ/ガラス/京都)







20200209

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出品作を紹介してゆきます。写真は出展者よりお借りしています。

■翫粋
京都市上京区堀川寺之内上ル下天神町653–1F
https://www.gansui-kyoto.com/

主題|十碗十盃
出品|谷本貴(1978年生れ/陶/三重) *室礼=川合優(1979年生れ/木工/岐阜)









20200208

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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出展者を紹介しています。文章は推薦者(山内さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■toripie
大阪府大阪市西区九条2-9-14
京都府京都市左京区二条通川端東入ル新先斗町133 サンシャイン鴨川102
https://www.toripie.com/

主題|知と物作り
出品|池邉祥子(1984年生れ/衣服/京都) 滝下達(1977年生れ/木/茨城) 二名良日(1943年生れ/植物/兵庫)

toripieという名前を初めて耳にしたのは、知人の作家から「よくある暮らし系ギャラリーとは違う感覚の面白いギャラリーがあるんですよ」と教えられた時のこと。作家が個人的に褒めるギャラリーにハズレなし、という経験則から、以来気になる存在だった。その後、鳥越智子さん(1983年生れ)と知り合い、toripieを訪ねて、なるほど扱うものの選択が「○○っぽい」ということのないギャラリーだと頷いた。

「私はどこかで修行したこともなく、美術や工芸について専門的に学んでもいないので、いつもこれでいいんだろうかとの迷いがある」と鳥越さんは言うが、全国津々浦々、どこかを真似た品揃えの店が増えるなか、作家のキャリアや知名度といった情報にとらわれることなく、自身のアンテナに引っかかるかどうかで扱う作家を決めるというのは、稀有な存在だろう。

旅先で手に入れた古物を展示する空間を持ちたいという衝動から、2014年、大阪でギャラリーを始め、同時に二名良日さんなど現代作家の作品にも惹かれて紹介した。2019年には京都に、現代作品を中心に展示する空間をオープンする。ふたつの場所を持った理由は、鳥越さん自身の表現行為ともいえる古物の蒐集展示と、現代作家の表現を、同一の空間で同時に見せることへの違和感が高まったためという。

工芸祭のテーマは「知と物作り」。「知は、魅力あるものを生み出す力になると信じています。自身の専門分野はもちろんのこと、他分野への興味や経験も制作の血肉になるのだと思います」(鳥越さん)。ここでいう「知」は単なる知識ではなく、経験にもとづく知恵のことだ。「これからは、自分の活動が社会にどのような影響を及ぼすかを考え、行動できる作家が生き残っていくと思う」と鳥越さんは語る。たしかに、来るべきAI時代に人間が持つべき「知」はそうなるだろう。

出品作家3人はいずれも、様々な人生経験を経て、現在のもの作りに辿り着いた人々。たとえば滝下達さんは、文化財保存科学を学び、建築の仕事に就いたあと木工作家として活動を始めたという。古代のもの作りの技法から学んだことを、自身の創作に活かしているそうだ。三者三様の「知」の響き合いが楽しみである。(山内)







20200208

昨夜は新潟県燕市の「ツバメコーヒー」で、書籍『工芸批評』(新潮社青花の会刊)にかんするトークでした。木工家の富井貴志さん、エフスタイルのおふたり、司会の田中辰幸さん、いらしてくださったみなさん、ありがとうございました。現代社会で工芸にかかわることの意味について、つかい手の立場ではない立場から(つかい手の話は似た話になりがちなので)話していただけたらと思い、話していただけたと思います。燕市は今日は雪でした。『工芸批評』も引続きよろしくお願いします。
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-hihyou.html







20200207

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)が推す12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出展者を紹介しています。文章は推薦者(山内さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■SHOP&GALLERY YDS
京都府京都市中京区新町通二条上る二条新町717
http://www.takahashitoku.com/contents.php?id=31

主題|転生─そして容(かたち)に生れ変わる
出品|渡邊紗彌加(1985年生れ/染織/滋賀) 陳新(1968年生れ/金属/中国・広州)

今はギャラリーの形態が多様化し、アパレルショップ、カフェ、書店などに併設されることが増えているが、残念ながら“客寄せ”や“付け足し”に見えてしまうことも多い。本業が別にあるギャラリーだからこそ、無名の若手作家に機会を与えるなど、利益追求だけではない展示をしてもらえたらと思うのだが。その点、SHOP&GALLERY YDSは、明治32年創業の京友禅の老舗「髙橋徳」という本業を持ちつつ、その恵まれた環境を活かし、新しいことにチャレンジを、という姿勢で運営している。

オーナーの髙橋周也さん(1972年生れ)は手描友禅の職人でもあり、もともとは器に興味はなく、ギャラリーを始めたのも「空いているスペースを活かすため」だったそうだ。しかしオープン時に個展を開催した陶芸家の清水志郎さんとの出会いにより、器の魅力に開眼し、以後は全国を駆け回って作家に会いにいき、たとえ一度断られても再訪して作家と信頼関係を築き、「ただの販売目的ではない、ここでしかできない展覧会」を目指してきた。たとえば「Re:planter×清水志郎」展では、部屋の畳を取り払い、そこに苔を敷き詰めて「苔の茶室」を作ったり、「尾形アツシ×みたて」展では、大量の原土を運び込んで中庭にうずたかく積み、土そのものの力を見せたり……。

京都という土地柄ゆえか、客層の半分は外国人(欧米、中国、台湾)だそうだ。これからは日本の作家を海外へ紹介すること、そして海外の作家を日本に招いて展覧会を行なうこと、その両方を目標とする。

ギャラリーを始めて10年近く経ち、当初は対極と思っていた、家業とギャラリー業、分業制と個人制作、伝統と革新が自分のなかで一致し始めたという。今回は、もの作りの根本──かたちなき素材が、作り手によりかたちあるものに生まれ変わること──である「転生」というテーマを掲げる。

「自然の摂理に適ったものは繁栄し、新しいモノや言葉も文化として残ります。そしていずれまたかたちを変え、次の世代に引き継がれていく。時代や世代を超えて転生する可能性を秘めた作家、作品を紹介します」(髙橋さん)

これまでは家業と近しい分野(染織)の作家は避けてきたそうだが、今回の工芸祭で初めて、染織作家の渡邊紗彌加さん(祈織 Inori)を紹介する。また、今後深めていきたい海外とのつながりの嚆矢として、中国から陳新さん(浅喜)を紹介する。YDSの「これから」を予感させる展示になることだろう。(山内)







20200206

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)がえらんだ12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
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出展者を紹介しています。文章は推薦者(松本さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■pragmata
東京都中央区八丁堀2-3-3-3F-4F
http://www.pragmata-gallery.com/

主題|Hyper Market
出品|不明(あくまでもpragmataの展示であり、作家の作品はその構成要素なので、当日も作家名は明かさないという)

今回のギャラリー選定では、内輪的推薦は避けようというのが基本にあり、pragmataのペトロス・テトナキスさん(1965年生れ)に声をかけるのは躊躇しました。何故なら以前からの知り合いでしたし、しかも数年前に大きく仲違いしたという経緯もあります。そう、仲良しどころか断絶状態(笑)なのに何故、彼にエントリーを依頼したのか。この工芸祭のひとつの方向性である(と私が考える)「独善性」を、強く体現しているギャラリーだからです。

陶のオブジェを中心に、東京八丁堀のビル内で繰り広げられる独自の世界。徹底した美学、頑固で譲らない人。そう、そこはギリシア出身のペトロスさんが作品と空間を一体化させる場なのです。元はコム・デ・ギャルソンで働き、その感覚を武器に、2013年にオープンした新種のギャラリー。ユニークな工芸作家を紹介しながら、単に作品を並べるだけでなく、独特のディスプレイや凝ったDMで自分の世界観を表現する、その思いの強さはここならではでしょう。ロンドンのギャルソンにいた頃の話を聞いたとき、ファッションを選ぶことは自身の思想の顕れ、生き方そのもの、と言っていたのが印象に残っています。ジャンルは変われど、pragmataが提供するものはまさに選ぶ側が試され、買うという行為を通して審美眼、人生観までが問われるものです。

展示テーマは「Hyper Market」。すなわち総合デパート的内容ということですから、特定少数の作家に頼ることはせず、日頃からpragmataで扱う作家の作品群を展開する企画です。それって常設じゃないの? と思われる方、はい、その通りです。しかし、それこそがpragmataの世界観な訳です。それが見たい。並ぶのはいずれも現代作家の作品ですが、店主自ら選んで展示、BOOTLEGの会場内で作品化された空間自体が、ギャラリーとしてのメッセージです。(松本)







20200206

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

期間中、別会場の「工芸青花」でふたつの対談をおこないます。15日の「赤木明登+高木崇雄|「生活工芸」以後」は満席、16日(以下)ものこり数席です。

■沢山遼+保坂健二朗|美術批評家とキュレーターがみた現代の工芸
□2月16日(日)13時@工芸青花(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=318

「工芸祭」のテーマである「『生活工芸』以後」の特色のひとつとして、器など日用品の作り手が、用途のないもの、オブジェというか置物のようなものを同時につくる、という動向があります(出展者のひとり小林和人さんはそれらを「標具」と名づけています)。「工芸祭」にも出品されますが、そのような「美術」とはべつの場所でつくられている創作物が、近現代美術の専門家の眼にどう映るのか、「美術」と「工芸」概念の歴史性にも留意しつつ、訊いてみたいと思います。

写真は『工芸青花』12号より、ピーター・アイビー(ガラス)と秋野ちひろ(金属)作品(台北「日本生活器物展」会場)。秋野さんは工芸祭の出品作家(Gallery SU)です。





20200205

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)がえらんだ12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出展者を紹介しています。文章は推薦者(山内さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■OUTBOUND
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-7-4-101
http://outbound.to/

主題|献身としての「気晴らし」
出品|東亨(1988年生れ/金属/大阪) 伊藤敦子(1960年生れ/装身具/神奈川) 木下宝(1970年生れ/ガラス/富山) 熊谷幸治(1978年生れ/土/山梨) 鮫島陽(1995年生れ/陶/愛知) 谷口聡子(1976年生れ/編み/東京) 冨沢恭子(1979年生れ/柿渋染/東京) 芳賀龍一(1984年生れ/陶/栃木) 福井守(1985年生れ/木/兵庫) 藤崎均(1972年生れ/木/神奈川) 藤村亮太(1981年生れ/陶/神奈川) ますみえりこ(1971年生れ/からむし/埼玉) 森田春菜(1981年生れ/陶/東京) 横内みえ(1982年生れ/漆/山梨) 渡部萌(1996年/蔓・樹皮/東京)

「Roundabout」「OUTBOUND」というふたつの店舗を通じて、ものの持つ「機能」と「作用」の両面を提唱してきた小林和人さん(1975年生れ)。「作用(=機能を前提としない造形物が受け手の心にもたらす働き)」は受け手に委ねられる要素が強く、理論化が難しい概念のはずだが、毎年の「作用」展(2013年よりOUTBOUNDで開催するグループ展)でそれを可視化してきた功績は大きい。「機能」面から評価されることの多い工芸の世界に、異なるベクトルを持ち込むことができたのは、工芸をブレイクダンスやヒップホップと同じ地平で語る視野の広さを持つ小林さんゆえだろう(小林さん曰く、工芸における「超絶技巧」はブレイクダンスの「パワームーブ」、同じく「作用」は「スタイル」および「ニュアンス」にあたるとのこと)。

工芸祭では「作用」の延長線上に「気晴らし」という概念を見出し、人が造形物を作る理由について考察したいという。樫永真佐夫氏(国立民族学博物館教授)の著書『殴り合いの文化史』のなかで、スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセーによる下記の考えに出合って触発されたそうだ。

「オルテガ・イ・ガセーによると、『本能の組織を失った動物』たる人間は、この宇宙で『気晴らし』を必要とするただ一つの被造物であるという。彼の言葉を借りれば、『気を晴らす』とは『私たちの世界から私たちの世界ではないさまざまな別世界へと一瞬身を逃れようと企てること』である。但し、それは浮薄かつ受動的ではなくあくまでも『能動的なもの』であり、その最たることとは、何かをすることに『身を捧げること』であるという」(小林さん)

この「気晴らし」論から、「人はなぜものを生み出すのであろうか?」という問いが浮かんできたそうだ。

「人はいかなる要請により、道具ではない抽象的な造形物を生み出すことに原初より献身してきたのであろうか。本展に於いて、『気晴らし』という能動的勤めの概念を通じ、人がものを作ることについて改めて考えたい」(同)

「作用」という概念は、どちらかというと作り手より受け手に重心が置かれているが、「気晴らし」に於いては作り手の意識が重要となるだろう。その点で、「作用」とは異なるフェーズに小林さんの意識が移行したことを感じる。なぜ、なんのために、ものを(しかも、明確な機能を持たないものを)作るのか? それは「気を晴らす=身を捧げる」行為なのか? OUTBOUNDでの「作用」展にもほぼ毎回参加している出品作家たちに、いま改めてその根本的な問いを投げかけることは、彼らのこれからの歩みのために意味のあることだろう。(山内)







20200204

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)がえらんだ12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出展者を紹介しています。文章は推薦者(松本さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■NOTA_SHOP
滋賀県甲賀市信楽町勅旨2317
https://nota-and.com/

主題|inside - outside
出品|浅井万貴子(1984年生れ/陶/岐阜) 梅本敏明(1977年生れ/木/和歌山) 大村大悟(1984年生れ/木・金属・石/石川) 合田大智(1983年生れ/狩猟・金属/滋賀) 谷穹(1977年生れ/陶/滋賀) 野田幸江(1978年生れ/植物/滋賀) 古谷朱里(1974年生れ/陶/滋賀) 古谷宣幸(1984年生れ/陶/滋賀) elements(ガラス)

たぬきの置物で知られる信楽で生まれ育った加藤駿介さん(1984年生れ)の店。ショップと製陶所を併設する、500坪もある広さにまず驚きますが、その中身もまた信楽では異彩を放つ存在です。大学時代はデザイン、音楽、映像にのめり込み、在学中にロンドンに留学、卒業後は東京の広告制作会社に就職。その後地元に戻り、家業である製陶所で技術を学び、2015年にオリジナルの陶製プロダクトや各種デザイン業務を行う「NOTA&design」を立ち上げ、2017年には信楽の工芸作家を中心に扱う「NOTA_SHOP」をオープンします。

今や工芸の材料は全国のどこでも入手できる時代ですから、産地の必然性は低下しています。伝統様式に縛られない「生活工芸」の無国籍感も、産地スタイルから脱却する流れを後押ししました。しかし、工芸は元来は地域の役割が重要であり、原料調達や生産技術のノウハウが蓄積された結果が「産地」です。たしかに現代は情報網や販路の発達により、「産地」でなくてもモノを作る環境が出来上がっています。それによりどこにいてもモノを作って発表できるという、ある種のユートピア的状況が生まれましたが、その結果、懸念されるのは「後追い」の表現がもたらす作風の均一化です。音楽やファッションにおいても、過去にブームとなったものは、その後「平均化」し、飽きられています。それは信楽という産地でも同様で、何を作っても売れたというバブル期にモノは均一化し、歩みを止めてしまいました。そうした状況のなか、NOTA_SHOPの加藤さんは、これからの信楽、産地としての新たな役割を模索しています。

とはいえ、たった1軒のギャラリーが産地全体の意識を変えられるのか。経験的に言うなら、それはあり得ます。流通販売方法もふくめた旧来的な産地スタイルから脱却し、産地に新たな意味を与え、作り手の意識も大きく変えた実例として、益子の「starnet」や伊賀の「gallery yamahon」を挙げることが出来ます。現在のネット社会により地域の土着性が急速に失われるなか、あらためて地元の価値を捉えなおそうとするNOTA_SHOPの活動に注目したいと思います。

展示テーマ「inside - outside」について。ふたつのコンセプトに基づく展示になります。ひとつは産地、古典、工芸を意識した「inside」。信楽の陶芸作家を県外に知らしめること。もうひとつは世界、新規性、美術をテーマとする「outside」。信楽の「外」のもの(例えば海外のデザイン、異素材の作品など)で刺激を与えること。今回紹介する作家は30代半ばから40代前半、地域に根ざしながら、既存のスタイルを後追いせず、新たな表現を追求している作家たちです。(松本)











20200204

安藤雅信、辻和美、三谷龍二による「生活工芸の作家たち3:もよう」展、開催中です(神楽坂一水寮。2月9日まで。13−19時)。完売した作も多いですが、展示用に全員の作品をのこしてあります。三者の「文様論」としてみてほしい展示です。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20200101.html

生活工芸といえば、金沢の知人にきいたのですが、兼六園にある石川県立伝統産業工芸館が昨夏に通称を募集、その後〈有識者らでつくる検討委員会〉により、今年4月から「いしかわ生活工芸ミュージアム」と(も)名のることが決ったそうです(北國新聞20191231)。
https://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20191230101.htm

「通称」を募集、検討、決定することの違和感はさておき、金沢(および現代日本の工芸)で「生活工芸」といえば、なにをおいても辻和美さんが主導した「生活工芸プロジェクト」(2010−16年)のことでしょう。それを継承するどころか、両者はあまりにも異質にみえます。もちろん「生活工芸」は固有名詞ではないので、だれがどうつかおうと自由なのですが、かつて辻さんにより概念化が期され、実作も議論もかさねられてきたこと(歴史)にたいする、〈有識者ら〉の歴史意識の欠如には、やや暗然としました。

辻和美的「生活工芸」観にもとづく「古道具坂田と生活工芸派」という一文をおさめた書籍『工芸批評』(私以外の筆者もほぼ全員「生活工芸」に言及しています)にかんするトークを、2月7日(金)夜、新潟県燕市のツバメコーヒーでおこないます。木工家の富井貴志さん、F/styleのおふたりといっしょです。よろしければぜひ。(菅野)
http://tsubamecoffee.com/dekigoto/2020/01/21/249/
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-hihyou.html











20200203

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)がえらんだ12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出展者を紹介しています。文章は推薦者(今回は山内さん自身)、写真は出展者よりお借りしています。

■Gallery SU
東京都港区麻布台3-3-23 和朗フラット4号館6号室
http://gallery-su.jp/

主題|風穴(かざあな)
出品|秋野ちひろ(1979年生れ/金属/埼玉)

私がギャラリーを開いた2010年は、金沢21世紀美術館で「生活工芸」展が開催され、一連の潮流が言説的にも位置づけられ始めた頃である。一方で工芸ギャラリーが個々に作家を見出して育てる努力をせず、一部の人気作家たちに頼る風潮も蔓延していた。

自分はその列に連なることはしたくないという考えと、日用の器ブームの続く工芸の世界に新風をという思いから、Gallery SUでは、まだあまり世に知られていない作家の造形作品を紹介し続けてきた。同世代の作家に、実用の道具よりも用途のないものに惹かれる感覚を持つ人が増えてきていたことも、その方向性を後押ししてくれた。

SNSにも頼らずによくやっていけていますねと言われることは度々だが、ヴァーチャルな世界の影響力がますます強まっていく時代だからこそ、実店舗を持つギャラリーの仕事において大事なのは、作家と対話を重ねて新たな可能性を引き出し、いまここでしか見られない展示を行ない、訪れる方に体感して頂くこと……その直接的な交流だと考えている。

工芸祭の展示テーマを「風穴」としたのは、何かが(誰かが)勢いを増し始めると一斉にそちらへなびくような、工芸とギャラリーを巡る閉塞した状況を変えていきたいという思いからである。監修者としても、それぞれの場所で新しい風を起こす仕事をしているギャラリーを選び、依頼した。

出品作家の秋野ちひろさんは、2011年の初個展以来、毎年 Gallery SU で個展を開催している作家である。まったく無名だった彼女が、道具ではなく、さりとて重厚感ある彫刻でもない、既成のジャンルには属さない軽やかな真鍮の造形作品を発表し続け、回を重ねるごとに自分の世界を開花させていく過程を見守ってきた。その作家としてのあり方も作品も「風穴」的だと感じており、今回のテーマを体現してくれることと思う。(山内/1977年生れ)







20200202

2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)がえらんだ12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出展者を紹介しています。文章は推薦者(山内さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■Gallery NAO MASAKI
愛知県名古屋市東区葵2-3-4
https://www.naomasaki.jp/

主題|編むカタチ
出品|内田鋼一(1969年生れ/陶/三重)  中西洋人(1984年生れ/木/滋賀)  長谷川清吉(1982年生れ/金属/愛知)他

ジャンルの垣根を越え、知識や既成概念にとらわれず作品に向き合う。言い古された言葉だが、実行できている人は多くはない。正木なおさん(1973年生れ)は、その数少ない一人だと思う。

ギャラリストとして挑戦していきたいことのひとつは、「工芸」と「美術」の境界を越えることだという。取り扱う作家は、既存のカテゴリーにおさまらない幅や深みがあることを軸に選んでいる。ギャラリーの運営方法は「工芸」系と「美術」系では異なるのが現状だが、正木さんは双方の長所と短所を見極めながら、より良きあり方を模索し実現している。たとえば、展覧会開催時期の調整やコンペティションなど作家の活動・展開のサポートをするのは現代美術のギャラリーでは普通のことだが、工芸ギャラリーにはあまり見られない。作家をしばるのが目的ではなく、海外での発表も視野に入れつつ、これから共に道を作っていくという。作品の価格設定に関しても、作家任せにはせず、ギャラリー側が責任を持ってリードすべきとの考えだ。売りやすさや、買い手のニーズを重視する、マーケティング主導の時代への問題意識から、「長期的な視点に立って、作品の価値を発見、提案する場」としてのギャラリーのあり方を追求している。

工芸祭にあたり、正木さんが提示したテーマは「編むカタチ」である。数年前に大分県竹田市を訪ねたことや、パリのケ・ブランリ美術館で「FENDRE L'AIR, Art du bambou au Japon/空(くう)を割く 日本の竹工芸」展を観たことで、「編む」という行為への関心が高まったという。

「編むことは、人が道具を作り出した旧石器時代の頃から脈々と変わらず、古今東西に伝わる技術であり、行為である。細い素材が組まれ、重なった時に生まれる強さ、自由さは、道具として、意匠として様々なカタチになった。人はなぜ編むこと、そして編むことにより生まれるカタチに焦がれるのだろう。それはもしかしたら、そこに人間の行為の原初性があるからかもしれない」(正木さん)

今回、正木さんが作家に求めるのは、編む行為や編み目の意匠にこめられた原初的な意味(編み目や縄目は永遠の循環を表し、再生のシンボルだったとされる)に思いを致し、そこから汲みとったものを自身の作品に活かす、ということだろう。単に古作を参照すること、表面的に写すこととは異なる意義を感じる。(山内)







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『工芸青花』の新刊13号の発送準備、さきほど終りました。検品、扉絵貼り、シリアル番号捺し、宛名貼り、梱包等々手伝ってくれたみなさん、ありがとうございました。会員の方々には、ゆうパケットで明日発送します。

これから青花に御入会いただいた方には、『工芸青花』は13号よりお届けします。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=4

写真は『工芸青花』13号特集「スイスのロマネスク」より。それと発送準備完了図。







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2月14-16日は「青花の会|工芸祭2020|「生活工芸」以後の工芸」です(BOOTLEG gallery@神楽坂。14日は青花会員と御同伴者のみ)。監修の松本武明さん(うつわノート)と山内彩子さん(Gallery SU)がえらんだ12のギャラリーが、各自設定の主題にもとづき現代工芸を展示/販売します。
https://www.kogei-seika.jp/seikafes/kogei2020.html

出展者を紹介しています。文章は推薦者(松本さん)、写真は出展者よりお借りしています。

■GALLERY crossing
岐阜県美濃加茂市太田本町1-7-3
https://crossing.gallery/

主題|UnFramed
出品|アラーナ・ウィルソン(1989年生れ/陶/オーストラリア) 市川陽子(1985年生れ/漆皮/京都) 林志保(1984年生れ/陶/岐阜) 和田朋子(1986年生れ/ガラス・ミクストメディア/福岡)

だんだん歳をとってくると感覚も鈍る訳で、以前ほど新しい展示会や作家の作品を見なくなると、ますますそれが加速する今日この頃、自分には真似できない新たな感覚の人に出会うと、大いに刺激を受けると同時に、老いを感じてしまうのです。岐阜県美濃加茂にある GALLERY crossing の黒元実紗さん(1982年生れ)の企画を目にするたびに、時代は変わり新しい才能が生まれているのだなと実感します。

もともとは名古屋で「食」をテーマにしたデザイン事務所を設立し、フードデザインを手掛けていました。それゆえか、黒元さんの企画は工芸を外形的に見るだけでなく、五感による多面的な捉え方をするのが特徴でしょう。既存の工芸、美術の枠に捉われない幅の広さ、新人を発掘する矜持、海外にも展開する行動力などに魅せられて、今回エントリーをお願いしました。ホームページ記載の基本コンセプトには「工芸、アート、デザイン、ファッション、フードなどジャンルを超えた表現が交差する場、想像力の交差点」とあり、まさにその通りだなと思うのですが、こうした言葉は大抵きれいごとで終わってしまうきらいがあるなか、言行一致のキュレーションを続けていると思います。

展示テーマの「UnFramed」は、日頃から黒元さんが掲げるコンセプトそのものです。既成の枠組を超えて「造形物」を見ること。非日常と日常、非実用と実用、社会と個、古と新、アートと工芸、鑑賞と所有──それらの「間」を行き来する感覚。作家のセレクトも黒元さんと同世代、「生活工芸」の影響を引きずらない1980年代生れの女性作家を、意図的に紹介してくれます。(松本)




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