20181130

冬の明かり。昨夜は目白の古道具坂田で打合せ。来年のことが決ってうれしい。
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水曜夜は目白の自由学園明日館で大久保満男さんの講座「美術と私」でした。収集家でありつつ多くの文化事業を実現させてきた人。坂田和實、黒田泰蔵、鈴木忠志ほか友人たちの作品を論じ、ある作曲家が語った言葉(音楽がのこったのは演奏家がいたからだ)をひいて、作家ではない者がはたすべき(「演奏家」としての)役割、しかもその公共性について語るという得がたい回でした。壁に投影されているのは坂田さんが仕入れ、いまはなき無境の塚田晴可さんをへて大久保家にあるイギリスの古い焜炉。
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来週金曜(7日)夜は工藝風向の高木崇雄さんとガラス作家石川昌浩さんの対談が神楽坂であります。高木さんもすぐれた「演奏家」のひとりです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=258







20181129

「白と青」展、はじまりました(神楽坂一水寮。12月9日まで。木金土日13−19時。初日の11月29日は青花会員と御同伴者のみ)。
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監修は森岡書店の森岡督行さん。出品は以下の11ブランド。AIR ROOM PRODUCTS CHICU+CHICU5/31 Coci la elle C.Shetland hasuike humoresque Jurgen Lehl/Babaghuri KAPITAL minä perhonen Sa-Rah TALK TO ME
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「森岡服店」の趣です。今日は森岡さんも在廊中。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20181101.html





20181126

今日からほぼ1ヶ月、代官山蔦屋書店1号館で「工芸青花フェア」開催中です。バックナンバーとともに、textile n+R(中村夏実+林礼子)による「百思百布」シリーズの袱紗──日本、中国、タイ、ブータン、インドネシア、ラオス、カンボジア、アフガニスタン、インド、イタリア、アフリカの布を縫いあわせたもの──を展示販売します。
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「工芸青花について」
『工芸青花』は年に3冊、1200部限定で刊行している美術工芸誌です。この時代の人々がなにを感じて、なにを考えたかを、(後世にも)つたえたいと思ってつくっています。本だけでなく、講座や茶話会、展示会などもおこなっています。
今回、代官山蔦屋書店でフェアを開催していただくにあたり、textile n+R(中村夏実+林礼子)の手仕事を御紹介できたらと考えました。以下の文章にもあるとおり、世界各地の織りもの、染めものが方形に(袱紗の寸法に)縫いあわされています。はぎれの再生であり、つかいかたは自由です。
布は「工芸の母」のようなもの。そのゆたかさを、眼と手で実感していただけましたら幸いです。(菅野康晴)
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「百思百布」
国を越え、時を越え、私たちの手元に集まった布たち。どの布を手に取り眺めても美しい。それははるか遠い国の織り手や作り手たちからのメッセージでもある。一枚の布は多くのことを私たちに語るだろう。過ぎた時間。彼の地の太陽、風のにおい、雨の余韻、そして秘めたる思いや願いを。
中国から遥々シルクロードを越えヴェネツィアで花開いた、金糸・銀糸のダマスク織り布。精緻な刺繍とも見まごうラオスの浮織り布。インダス文明に端を遡るインドの染め布。ヴェネツィアの光と影が交錯しているような染め布。少数民族の繍いには切なる祈りがこめられている。さらには藍布。世界中に藍の染め布は存在するが、日本の藍布はなかでもとくに美しい。
長い時間をかけて集めたこんな布たちを方形に縫い合わせることで、布のいのちをもう一度蘇らせたらと思ったのだった。どんなちいさな端裂でも、丹念に手で織られ、染められた布には自然の恵みが宿っている。(textile n+R)





20181125

国立新美術館でボナール展(12月17日まで)と日展(今日まで)。日展的工芸観を量的に理解できた気がします。地下のショップでは『工芸青花』を創刊時からおいていただいています。4・5・8・9・10号がありました。





20181124

今日は盛岡で桃居の広瀬一郎さんと対談でした。おもに「生活工芸」の器の話になりました。会場は岩手県立美術館。みなさんありがとうございました。12月20日まで「うつわドラマチック展」開催中です。常設の「舟越保武+松本竣介」室もとてもよかった。











20181120

陶芸家・安藤雅信さんの新著『どっちつかずのものつくり』(河出書房新社)。これで今年は赤木明登さんの『二十一世紀民藝』(美術出版社)、三谷龍二さんの『すぐそばの工芸』(講談社)、そして安藤さんの本と、生活工芸派の工芸論がそろった年になりました(3冊あわせて書評する/考える記事をつくろうと思っています)。ついでながら今日、かつて編集した『「生活工芸」の時代』(2014年/新潮社)の重版が決りました。
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安藤さんの本はエッセイと対談4本(坂田和實、村上隆、大友良英、皆川明)が半々くらいです。〈アートは言説なしには価値を担保できず、歴史化することも困難だと思われます〉(南條史生「新会長挨拶」より。『美術評論家連盟会報』19号)。工芸もそうでしょう。茶道具がその最たるものです。民芸もそうかもしれません。9月に「すべては雑貨?」と題して井出幸亮さんと三品輝起さん(『すべての雑貨』著者)の対談をおこなったのですが、「雑貨化」に抗するなら言説化/歴史化するしかないといまは思っています(『すべての雑貨』で語られるレゴのように)。安藤さんは(ギャルリももぐさの企画展案内でもわかるように)ずっと言説の人でした。「生活工芸」の時代(2000年代)のなかでそれはあきらかに野暮なふるまいでしたが、でも、安藤さんが野暮をつらぬいたおかげで「生活工芸」は雑貨化せず、(今年の3冊にみるように)歴史化がはじまっているのだと思います。
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安藤さんは当事者ですが、それ以外でいちはやく「生活工芸」の言説化/歴史化の必要性をとなえていたのは桃居の広瀬一郎さんです(広瀬さんは日本の近代工芸史を俯瞰したうえで1990年代以降を「生活工芸の時代」と名づけています)。今週土曜(24日)、岩手県立美術館で広瀬さんのお話があります(私も聞き役で参加します)。テーマは「暮しと器」。「生活工芸」の話もしましょうと先日打合せしました。
http://www.ima.or.jp/event/lecture/20181124.html





20181117

二子玉川の蔦屋家電では開店当初から『工芸青花』をおいていただいています。お近くのかたよろしければぜひ。駅にははや大聖樹。







20181115

台北にきました。「日本生活器物展」の取材です(華山1914文創產業園區紅磚區西5-1館)。主催は茶人の謝小曼さん、企画は三谷龍二さん。参加作家13人の作品も、建築家・陳瑞憲さんによる会場構成も(果敢ながら調和的で)すばらしく、今後「生活工芸」を語るうえで欠かせない、大事な展示だったのではないかと思います(記事にします)。今日が最終日でした。小曼さんの茶会を2時間、そのさりげなさにみとれていました。





20181112

あらたな催事のお知らせです。12月のロマネスク講座はクリスマス特集。
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■展覧会|白と青
□11月29−30日・12月1−2日+6−9日@工芸青花(神楽坂)
*11月29日は青花会員と御同伴者のみ
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20181101.html
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■講座|高木崇雄+石川昌浩|工芸入門6|公募展と民藝
□12月7日(金)18時半@一水寮悠庵(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=258
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ43|ロマネスクのクリスマス
□12月20日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=259
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以下も引続き募集しています。
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ42|ロマネスクの宇宙3|聖堂と動物
□11月15日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=255
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■対談|広瀬一郎+菅野康晴|暮らしを彩るうつわの時代
□11月24日(土)14時@岩手県立美術館ホール
http://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/20181114.html





20181110

高木崇雄さんのブログ「工芸入門」更新しました。〈どうして工芸店をはじめたんですか? とときどき聞かれます。(略)それよりもむしろ、曲がりなりにも十数年のあいだ、店を続けてこれた理由をひとつお話ししますよ〉
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敬愛する先輩、岡山の小野善平さんの具体的でしかも筋のとおった仕事/生きかたの話、趣味(セレクトショップ)と仕事(工芸店)のちがい。最後の一文は「お店入門」をこえて、これからなんども服膺すべき言葉になりました。高木さんの工芸論をつねに裏打ちしている質実さのゆえんを知る回でした。こういうふうに生きたくて青花をはじめたのでした。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/022.html
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来月は高木さんの講座があります(12月7日夜@神楽坂)。ゲストに倉敷のガラス作家・石川昌浩さんをおむかえします。ちなみに、今回のブログの写真の撮影者は石川さんです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=258





20181108

「豊永盛人の沖縄ギリシア神話」展、今日から再開しました(神楽坂一水寮。11日まで。13–19時)。最終週、あらたに型染の星座カレンダーや張子のキマイラなど、追加作品も展示しています。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20181001.html











20181107

東海道新幹線のグリーン車の席においてある雑誌『ひととき』。その11月号をひさしぶりに読みました。小澤實さんの芭蕉紀行が終ってしまってざんねんですが、古道具坂田の坂田和實さんの連載(隔月)はつづいています。慈雨の感があります。
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今回の題は「肌襦袢の端切れとおしめ」。このページが裏千家家元のいつ読んでも貴族的文章の連載の直後にあることはとてもよいことだと思います。工芸は階級的(階級の記号という面をもつもの)であり、坂田さんの骨董は階級闘争的だからです。〈二枚の布は(略)、伝統的評価に依りかかり、その肩書をひけらかす美術工芸品をも打ち負かす美しさを持っています〉。今回の「おしめ」の文は、坂田さんの思想が端的にあらわれていました。最後に〈美醜の二元にも落ち込まず〉とあるのは、坂田さんにとって、美は思想を実現するための手段であり(かりそめの)武器にすぎない、ということだと私は思っています。
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坂田さんがかつて〈その夜、静岡から東京までの帰り道、まだ若かった僕は車を運転しながら感激で震えていた〉(『ひとりよがりのものさし』)と書いた相手は、大久保満男さんです。歯科医のかたわら美術品収集と多くの文化事業を手がけてきた人です。その大久保さんのお話をきく会を企画しました(11月28日夜@目白・自由学園明日館)。大久保さんからみた坂田さんの話にもなるはずです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=256





20181104

今週木曜(8日)夜は古典学者・河島思朗さんの講座「ギリシア・ローマ神話」。今回は英雄ヘラクレスの話です。写真中央が猪にまたがるヘラクレス。河島さんが協力した「豊永盛人の沖縄ギリシア神話」展の作品で、8日は展示もみられます。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=254
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「物語が心にすっと入っていくような力を持っていれば、それは言語を超えて交換可能なものだと思っています」。早大に資料を寄贈する村上春樹さんが今日の記者会見でそう語っていて、そのニュースをみて、河島さんと豊永さんのやりとりを思いだしました。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20181001.html




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