20260121

新連載です。

■岩橋直哉「坂田和實『ひとりよがりのものさし』再読」(毎月更新)
https://www.kogei-seika.jp/blog/iwahashi/001.html

〈坂田さんが亡くなって3年が過ぎた。坂田さんと「古道具坂田」の存在は日本の骨董・工藝・藝術の分野に大きな波紋を残し、骨董業界には「坂田チルドレン」と呼ばれる若い業者たちも数多く誕生している。その評価は日本国内のみならず、海を越え中国や台湾などでもますます大きなものになっているようだ。坂田さんが自ら選んだモノを通して感じたこと、考えたことを自らの言葉で語った『ひとりよがりのものさし』を今一度読み返し、坂田さんが言いたかったこと、伝えたかったことは何だったのか、今を生きる我々が受けそこねているものはないか、をあらためてたずねてみたいと思う〉

『ひとりよがりのものさし』は全50章。この連載では1章ずつ、精読、解釈してゆきます。骨董商には「よい骨董とはなにか」を問う人と、「骨董とはなにか」を問う人、おおまかにみればふたとおりあると思っていますが、岩橋さんはあきらかに後者です。坂田さんをどちらと思うかは、人によってかわる気がします。

写真は「ひとりよがりのものさし」連載時(『芸術新潮』1999年1月号−2003年5月号)に撮影したフィルムです(筒口直弘撮影)。掲載図版とは別カットの場合もあります。こうしたポジを、布手袋をはめて、ハサミでちょきちょき切って(切りはなして)いました。
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■坂田室
□東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/index.html





20260119

〈もしかしたら僕は大テーブルに、かつての囲炉裏のような機能を持たせたいのかも知れません。(略)仕事先や学校から帰ってきた家族がとりあえず囲炉裏端に集い、その日の出来事などをぽつぽつと語りあううちに、一家団欒の暖かな空気が満ちてくる〉(中村好文「大テーブル主義」『芸術新潮』2002年12月号特集「意中の家具」より)

坂田室にも、17世紀イギリスの大テーブルがあります(2点目。1点目は17−18世紀英/仏の教会用ベンチ残欠)。中村コレクションの展示でもあるせいか、今展は、これまでより、家具の気配を感じる気がします。
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■展観|坂田和實の眼|建築家・中村好文との縁
□1月25日-2月6日@坂田室(神楽坂)
*全日予約制/1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202511.html







20260119

駒場の民藝館で「抽象美と柳宗悦」展。たのしみにしていました。柳の戦後(晩年)の関心事は仏教美学だけでなく、アフリカ、南洋、南北アメリカなどの原始/部族美術にみいだす「抽象美」もまた柱のひとつだった、という視点(調査研究にもとづく)でえらばれた品々は、いわゆる「民藝」イメージをうらぎるような、民族学的展示に近づくような印象もあって(とはいえちがうのですが)、その自己検証的態度に誠実を感じました。図録ならぬ「絵葉書集」に収録された、今展担当・白土慎太郎さんの論考はいつものように着実で、視野のひろさも示唆的です。3月10日まで。写真はポリネシアのタパ(樹皮布)2点。







20260117

〈それ以来、無意識のうちにずっと「石」を追い求めてきたように思います。海へ出かけても好みの石拾い、家を建てるとなれば古御影の縁石や敷石を探し求め、この仕事に就いてからは李朝の石工品、日本の石仏、石塔、勾玉など考古の世界にまで興味は広がっていきました。(略)今回の展示会では、長い年月をかけて蒐めた様々な石のモノを並べます〉(安東敬三「今展によせて」)

はじめて花元、安東さんの名をきいたのは、目白の古道具坂田、坂田和實さんからでした。大分で若い人が店をはじめた、おもしろくなると思う──安東さんの略歴をみると、2007年ごろのことだったのでしょう。安東さんとは、いまでもよく坂田さんの話をします。

出品作を紹介しています。
国東五輪塔 室町時代
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■展観|石のもの:国東の石塔その他
□1月25日-2月6日|12-18時|青花室(神楽坂)
□出品|安東敬三(花元)
*1月25・26日は⻘花会員限定
*1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202601.html

■対談|小澤實+安東敬三|国東の石塔を巡って
□1月25日(日)18時半@青花室
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kotto-4
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坂田室の展示も同時期開催しています。

■展観|坂田和實の眼|建築家・中村好文との縁
□2026年1月25日-2月6日@坂田室(神楽坂)
*全日予約制/1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202511.html





20260116

静岡出張。午前中は芹沢銈介美術館。「語り合う布たち−芹沢銈介が集めた世界の染織」展(3月15日まで)。チベット、モンゴルの敷物と、コプト裂がよかった。ロマネスクふうでロマネスクを感じない建物(白井晟一設計)。午後は望月通陽邸。今年11月の個展の打合せ。理も情もあり、それでも情が理にまさる、意志的、詩的、文学的な仕事。その、いまではおそらく稀有な東洋的画境を、しっかり紹介したい。

芹沢銈介美術館外壁。望月さんの型染絵を貼付した『工芸青花』20号。
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika020.html







20260114

〈立派な家、立派なコレクションはずいぶん見てきたけれど、中村君(注・中村好文)の住いほど感激したことはなかった。(略)家具の配置、照明の具合、食器の選択、服の着こなし……。建築家というのはえらいものだなと、素直に思いましたね。建物だけでなく、生活のすべてに眼がゆきとどいていた〉(坂田和實+中村好文「物が美しく見える場所−美術館 as it is ができるまで」『ひとりよがりのものさし』折込冊子)

「古道具坂田」の品揃の印象/記憶は、人によってわりとちがう。中村さんは「家具」と「おもちゃ」。「骨董」「住宅」で時代をかえたふたりが交差し、交流し、たがいの分野にもちかえったものとは。25日から会期後半です。
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■展観|坂田和實の眼|建築家・中村好文との縁
□1月25日-2月6日@坂田室(神楽坂)
*全日予約制/1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202511.html

「古道具坂田」の改装をたすけたのも、転機となった museum as it is(坂田さんの個人美術館。1994年開館)の設計を手がけたのも、中村好文さん(建築家。1948年生れ)でした。坂田さんは折にふれ、若いころに中村さんの自宅をたずねたときの印象、影響を語っています。
 春、夏、冬に展示替をおこなう坂田室、今年の冬期展は、坂田さんの盟友だった中村好文さんが古道具坂田で買った物、坂田さんから贈られた物を主に、約60点を展観します。







20260111

〈石の塔を見る楽しみは、地味な喜びである。興奮も逆上も無縁である。言わば、菜っ葉のおひたしで一杯やるような、ひそかな味わい〉(青柳恵介「国東半島」『工芸青花』2号)

出品作を紹介しています。国東五輪塔 鎌倉時代初
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■展覧会|石のもの:国東の石塔その他
□1月25日-2月6日|12-18時|青花室(神楽坂)
□出品|安東敬三(花元)
*1月25・26日は⻘花会員限定
*1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202601.html

■対談|小澤實+安東敬三|国東の石塔を巡って
□1月25日(日)18時半@青花室
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kotto-4





20260110

工芸誌『工芸青花』は年2冊ほど刊行しています(定期購読は3号分から。販売店も募集しています)。最新刊は21号です。
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『工芸青花』21号
https://www.kogei-seika.jp/book/kogei-seika021.html
■2025年9月25日刊
■A4判|mon Sakata 製麻布張り上製本|見返し手漉和紙(黒谷)
■カラー152頁|望月通陽の型染絵を貼付したページあり
■限定1200部|14,000円+税

Kogei Seika vol.21
■Published in 2025 by Shinchosha, Tokyo
■A4 in size, linen cloth coverd book with endpaper made of Japanese paper
■152 Colour Plates, Frontispiece with a stencil dyed art work by Michiaki Mochizuki
■Each chapter is accompanied by an English summary
■Limited edition of 1200
■14,000 yen (excluding tax)
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目次 Contents

1|フランスのロマネスク オーベルニュ地方
The Romanesque art in Auvergne, France
・「神の平和」と十字軍 小澤実
・山と型 金沢百枝

2|川瀬敏郎の花 始源の記憶
Ikebana by Toshiro Kawase: The Memory of the Biginning
・根の花 沢山遼

3|我谷盆
Wagatabon: Wooden Trays from the Mountainous Village of Wagatani, Ishikawa
・我谷盆とはなにか 前橋重二
・工藝・原子・欲 富井貴志

 連載 Series
・古道具坂田への旅1 菅野康晴
精華抄
黒谷和紙 若菜晃子
扉の絵 望月通陽













20260107

〈梅雨の時期、国東を訪ねて、さまざまな石造美術を見て歩いた。国東愛のことさら深い古美術花元の安東さんの案内で、さまざまな石塔を訪ねられたことは、まことに幸運であった〉(小澤實)

展観初日におこなう対談では、安東さんとともに取材した国東の写真も御覧いただきます。俳人として多々受賞歴のある小澤さんですが、骨董愛もことさらふかい数寄者のひとりです。「石の聖地」を旅した詩人の言葉も、たのしみな夜。
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■展覧会|石のもの:国東の石塔その他
□2026年1月25日-2月6日|12-18時|青花室(神楽坂)
□出品|安東敬三(花元)
*1月25・26日は⻘花会員限定
*1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202601.html

■対談|小澤實+安東敬三|国東の石塔を巡って
□1月25日(日)18時半@青花室
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kotto-4





20260104

〈美術館 as it is を設計した中村好文さんは、それ以前に古道具坂田や坂田さんの自宅の改装もたのまれている。ふたりの出会いは1976年、目白にあった吉村順三設計事務所の入所面接をうけにきた中村さんが、帰り道、おもしろそうな店だなとガラス戸をあけたのがはじまりだった。(略)そのころの古道具坂田は、後年とくらべて、西洋家具が多く入ってくる店だった。英仏が主で、ときにスペイン。吉村事務所で家具デザインを担当していた中村さんは、それらをスケッチしたり実測したり、「家具をまなぶ場所」でもあったと回想する〉(菅野康晴「補記」『工芸青花』19号「古道具坂田と私」特集)

今月末から会期後半です。中村さんが古道具坂田でえらんだものの特色を、あえてひとことにすれば「用」でしょうか(美よりも)。住宅という大きな道具の作り手として、世界の諸道具の「用」の工夫に〈まなぶ場所〉だったのかもしれません。
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■展観|坂田和實の眼|建築家・中村好文との縁
□1月25日-2月6日@坂田室(神楽坂)
*全日予約制/1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202511.html

春、夏、冬に展示替をおこなう坂田室、今年の冬期展は、坂田さんの盟友だった中村好文さんが古道具坂田で買った物、坂田さんから贈られた物を主に、約60点を展観します。
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一文字墨壺 江戸時代 「古道具坂田」由来 中村好文蔵





20260103

〈技術上の制約によってかえって生まれる表現のおおらかさや、時間の経過によって自然に摩耗したり苔むしたりすることによる、野に溶け込むような味わいが石造美術ならではのものであろう〉(閑野譚「石造美術」『工芸青花』4号)

昨年暮れ、大分の骨董店「花元」をたずね、今月末からの展観出品作をみてきました。ガレージ横で出荷をまつ、中世の石塔群。青花室での再会がたのしみです。
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■展覧会|石のもの:国東の石塔その他
□2026年1月25日-2月6日|12-18時|青花室(神楽坂)
□出品|安東敬三(花元)
*1月25・26日は⻘花会員限定
*1月31日休
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202601.html

■対談|小澤實+安東敬三|国東の石塔を巡って
□1月25日(日)18時半@青花室
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kotto-4
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臼杵五輪塔 鎌倉時代末−南北朝時代初





20260101

古美術栗八・高木孝さんの連載「新骨董入門」更新しました。今回は「唐画人物図」。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takagi_shin/005.html

〈掲出の「唐画人物図軸」を最初に買ったのは、今から40年ほど前、値段はもう忘れてしまいましたが、30代の薄給でも無理すれば買える範囲でした。その頃の私は、作家銘の入らぬ、無落款、無印章の唐画を根気よく探しては買っていました〉
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古美術栗八・高木さん監修による骨董通販サイト「seikanet」も公開しました(月2回更新)。

seikanet|online antique store|古董邮购网站
https://store.kogei-seika.jp/collections/seikanet-111.html




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