20190816

8月30日(金)夜は、井出幸亮さん(『Subsequence』編集長)と高木崇雄さん(「工藝風向」店主)の対談「工芸についていま考えたいこと」です(神楽坂一水寮)。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=285

今年創刊された『Subsequence』の基本テーマは「Arts & Crafts for the Age of Eclectic/折衷時代の美術工芸」。井出さんは内外の文化全般につうじたキャリアのながい編集者ですが、初の創刊誌のテーマをなぜ「工芸」にしたのか、「折衷時代」とはなにか、ちゃんと訊いておこうと思いました。
https://subsequence.tv

〈優れた仕事がもつ固有の歴史と時間を奪われ、単にマチエールを表現する材料として、「今」に奉仕させられることで、工芸はあっという間に歴史性を欠いた雑貨になってしまう。貧しさから生まれた工芸が、豊かさのための道具、差異を表現するための雑貨と化しているのを見るのは辛い〉。先月(第29回)の高木さんのブログからです。毎回、簡潔ながら示唆にとむ工芸論を読むことができますが、この回の内容は時宜的かつ原論的で、さらに掘りさげたいと思いました。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/029.html

井出さんと高木さんは同世代ですが、工芸観はたがいにことなり、それがこの時代の工芸を考えるうえで、えがたいヒントになっています。雑誌のこと、ブログのことを皮切りに、ふたりがいま考えていること、私がふたりに訊きたいことなど、ぞんぶんに話せたらと思っています。(菅野)

おふたりは10月9日から松屋銀座のデザインギャラリー1953ではじまる「工芸批評」展の出展者です(監修は三谷龍二さん。ほかに鞍田崇さん、広瀬一郎さんと私も参加します)。その話もできればと思います。

また、対談当日はおなじ一水寮で開催する「札幌・アイヌ・古道具」展の初日です。青花会員(と御同伴者)限定の日ですが、対談参加者は御覧いただけますので、展示室入口でお知らせください。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190801.html









20190814

『工芸青花』の新刊12号、校了しました。今号もさまざまな方にお世話になりました。8月末−9月初旬刊です。よろしければ定期購読も御検討ください。写真は特集「生活工芸派と2018年」より。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=4







20190812

美術史家・金沢百枝さんの次回講座は8月22日(木)夜、「ロマネスクの宇宙8|怪物」です(自由学園明日館@目白)。おハコのテーマですね。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=284

写真はかつて金沢さんと取材したフランス、オルネーのサン・ピエール聖堂(12世紀前半)。ロマネスク彫刻の宝庫です。『工芸青花』4号で特集しましたが、そのときの彼女の文章タイトルが「かいじゅうたちのいるところ」でした。

〈これらの怪獣や動物たちを(略)美術史家アナ・チェリコヴァは「救済を待ちのぞむ怪異なもの」とみなし、寓意譚、動物譚とは無関係とするのですが、どうでしょうか〉

オルネーの初日は雨で、街もひっそりしていて、車のなかでパンをかじって雨があがるのを待っていました。以下は映画『Where The Wild Things Are』のサントラ。
https://www.youtube.com/watch?v=oAai9x-0BtA

















20190811

今年も声をかけていただいて、青山ブックセンター恒例の夏の選書に参加しました。
http://www.aoyamabc.jp/news/summerbook2019/

えらんだ本は安藤雅信さんの『どっちつかずのものつくり』(河出書房新社/2018年)。以下コメントです(ABC店頭で2000円以上買うと全160人のコメント掲載タブロイドがもらえます)。

〈肩書は陶作家としてきた。それは陶芸界にも美術界にも入れない、でも焼物を制作している作家という微妙な立場を表している〉。ここ20年ほどの工芸界でもっとも意義ある動向だった、いわゆる「生活工芸派」の代表作家の半自叙伝と対談(坂田和實、村上隆ほか)。「現代」と「工芸」の関係こそが〈微妙〉なのだとわかる。

写真は8月末刊の『工芸青花』12号より。昨年刊行されたこの3冊を、以下の3人が書評する記事。井出幸亮(『Subsequence』編集長)、沢山遼(美術批評家)、高木崇雄(「工藝風向」店主)。3人とも3冊について書いていますが、傾向的に、井出さんは三谷本、沢山さんは安藤本、高木さんは赤木本への言及が多かったのが、さらなる読解ができそうでした。





20190809

高木崇雄さんのブログ「工芸入門」更新しました。今回のタイトルは「うなぎ」。工芸の「青田買い」について。分野/業界の構造批評ができる稀有な書き手として信頼しています。ぜひ全文を。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/031.html

〈いずれにせよ、工芸だってきっと「近い将来における野生での」生息が難しくなりつつある、絶滅危惧種ではないでしょうか。出てきたばかりの若い作り手を実績もないのに青田買いして、良さげな言葉を振りかけて売ってしまうことを繰り返してきたあまり、工芸という場に生まれる仕事がどうもこのごろ痩せてきてはいないでしょうか〉

その高木さんと、「折衷時代の美術工芸」を標榜する雑誌『Subsequence』編集長・井出幸亮さんの対談「工芸についていま考えたいこと」をおこないます(8月30日夜@神楽坂一水寮)。〈ライフスタイルブームとは「“ライフスタイルショップでモノを購入するというライフスタイル”のブーム」〉(『「生活工芸」の時代』)とかつて喝破しつつ、かならずしもそれに否定的ではない井出さんと高木さんの対話は、「雑貨化」の是非、消費の功罪をめぐる話にもなるはずです。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=285

写真は8月末刊『工芸青花』12号「三人とアイヌ」より、みやげものとしての熊。「みやげもの」とはなにか。





20190809

昨日は中村好文さん、増田奏さんおふたりによる講座「住宅設計入門」の初回でした(全5回)。
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=280

今年で4年目。昨夜はおふたりによるスライドレクチャーと、今回の課題発表でした。「〈みせたい住宅〉はいやだな」「ドアはフタ。なるべくフタしたくない」など、すでにいくつものメモすべき言葉も。

写真ははじまるまえ、新刊の自著『小さな家の物語』(平凡社)にサインする中村さん(参加者へのプレゼントでした)。以下は同書「はじめに」より。中村さんのゆるがぬ信念ですね。

〈独立してからこの日まで、細々ながら、倦まず弛まず住宅を設計し続けてきました。そんなわけで、設計した住宅は優に二五〇軒を超えていると思います。(略)規模や、場所柄や、クライアントの年齢はまちまちでしたが、ぼく自身が設計に向かう心構えはまったく変わりありませんでした。そして、なにがいちばん変わらなかったかというと、どの家でも、そこにぼく自身が住むつもりで設計してきたことです〉





20190805

〈その清廉かつ厳正な審美眼によって、1972年の開店以来、孤高ともいうべき独自の姿勢を貫いてきた著者の姿を、私は長年まぶしいものとして眺めてきた〉(平松洋子/『東京人』201608)

著者とは李鳳來さん(1947年生れ)。骨董商。青山「梨洞」主人。著書に『李朝を巡る心』(2016年)。
https://www.kogei-seika.jp/book/richou.html

〈だが李朝のスゴサは、いくら瞬間を切り取った写真(注・青山二郎と小林秀雄が李朝徳利を手にした写真)とはいえ、あんな風になでられるものではない。もっともっと高貴なモノなのだ〉(『李朝を巡る心』)

他の〈高貴〉さを知る/尊重すること。モノ(工芸)は自他を分断するためにあるのではなく、自他をつなぐためにある(それが「用」の──いまとなっては──最大の効能ではないか)。「表現の不自由展・その後」の顚末に暗然としつつ、しずかな叫びのような李さんの名文を読みかえしていました。(菅野)











20190804

森岡督行さんのブログ「森岡書店日記」更新しました。今年6月の日々。〈帰り際、「親子が絵本の読み聞かせをできるような書店をつくりたかったのです」と書店の方が言う。デジタルの都市にあって、終始、別のアナログのイノベーションを模索している人々の熱意を感じる。5時間のフライトで成田に到着〉。写真は森岡さん。今年の「青花の会|骨董祭」で。
https://www.kogei-seika.jp/blog/morioka/041.html





20190801

「歴史のかけら:古代と中世の西洋骨董」展、開催中です(神楽坂一水寮。8月4日まで。13−19時)。写真は今朝の展示室。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190701.html






















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