20190228

画家nakabanによる「Anno Domini 2019 ロマネスクと私」展、はじまりました(神楽坂一水寮/3月17日まで/木金土日13−19時/2月28日は青花会員と御同伴者のみ)。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190201.html
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〈ロマネスクのその一見親しみやすいフォルムに強く惹かれたとしても、やはりそれは暗闇の向こうにある存在なのです。それでもこの展示で、わたしが心底好きなロマネスクの暗闇に一つ足を踏み入れてみたいと思います〉(nakaban)
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明日(3月1日)夜は nakabanさんの講座もあります。今展のテーマは「ゾディアックのロマネスク」。以下は「ゾディアック叢書」をはじめた故アンジェリコ修道士の言葉です。〈ルネサンス美術が古典古代への回帰とするなら、モダンアートはロマネスク美術への回帰でした。前者はヨーロッパという地域に限定されたものですが、後者は地球的、人類的なものであり、そこが重要なのです〉(『工芸青花』1号)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=268











20190224

今週木曜(28日)から「Anno Domini 2019 ロマネスクと私」展がはじまります。画家 nakaban さんの新作展です(工芸青花@神楽坂/2月28日−3月17日/木金土日13−19時/2月28日は青花会員と御同伴者のみ)。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190201.html
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〈『工芸青花』の記事の柱のひとつは西洋中世のロマネスク美術です。理由はいくつもあるのですが、フランスの「ゾディアック叢書」から多分に影響をうけています。それは、アンジェリコ・シュルシャン修道士(1924-2018)が修道院内ではじめたシリーズで、ヨーロッパ各地のロマネスク聖堂の美術、建築を他にない視点で紹介しています。当初はアンジェリコさんみずから撮影、編集を手がけ、1954年から99年まで225冊も刊行されました。『工芸青花』創刊号(2014年)では美術史家の金沢百枝さんとともに、アンジェリコさんに会いにゆき、そのロマネスク観をうかがうことができました。わすれがたい日になりました。画家の nakaban さんもロマネスクとゾディアック叢書を愛する仲間です。アンジェリコさんの死を金沢さんと私に知らせてくれたのもnakabanさんでした。今展会期中、3月1日はアンジェリコさんの1周忌にあたります。「ゾディアックのロマネスク」を描くnakabanさんの絵やタイルで、「恩人」をしのびたいと思います。(菅野)〉
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金沢百枝さん、nakaban さんの講座もあります。美術史家と画家の視点による「ゾディアックのロマネスク」論、それはつまり、過去の表現を現代においてだれが、どのように受容するかという話になるはずです。たのしみです。
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■金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ44|ゾディアック叢書
□2月28日(木)18時半@自由学園明日館(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=266
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■nakaban|ロマネスクと私
□3月1日(金)20時@工芸青花(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=268





20190222

今日は終日千葉でした。museum as it is にいました。古道具坂田の坂田和實さんの個人美術館で、坂田さんの手による展示は今回もリズムとかるみの名人芸(といいたくなる)でした。(「3期坂田」らしく)物が気配化しています。
……
来週土曜(3日)午後は熊本で村上隆さんのお話をうかがいます。テーマは「古道具坂田の意義、生活工芸との距離」。その日まで熊本市現代美術館でひらかれている、村上さんキュレイションによる「バブルラップ」展のクロージングトークです。村上さんの坂田論、生活工芸観の独自性を浮彫にできたらと思っています。(菅野)
https://www.camk.jp/exhibition-event/1805/





20190214

高木崇雄さんの連載「工芸入門」更新しました。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takaki/025.html
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〈かつて1966年から90年代の終わりまで、福岡に「NIC」という店がありました。地元鉄道会社の西鉄と、同じく地元百貨店である岩田屋、両者の出資によって作られた(社名はNishitetsu-Iwataya-Companyの略)、日本でも最初期の「インテリアデザイン」をうたった店です〉
……
〈熊倉功夫の言葉によれば、1920年代において、社会を改革する意志を託された語は「民」でした。柳田國男の民俗学、柳宗悦の民藝、渋沢敬三の民具、これらすべてが過去を分析することで未来を見ようとする、生み出そうとする、まさに「モダン」な試みであった。けれどもその意志は「民衆」が「大衆」にうつりゆく中でいつか失われた、と。そして1960年代以降においては、この意志を「デザイン」が担っていたように僕には思えます〉
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今日は京都で打合せ、明日帰京し、あさっては高木さんたちと「民藝」座談会です(於21_21 DESIGN SIGHT)。以下は民藝館学芸員、白土慎太郎さんの文より。
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〈「民芸」誕生以前から行われ、最晩年まで続いた柳個人の蒐集を改めて振り返ると、一人のコレクションとしては極めて広範囲な分野にわたっており、柳を単純に「民芸」のコレクターと呼ぶことを躊躇させる〉〈会場(注・「柳宗悦・蒐集の軌跡―日本の工芸を中心に」展@民藝館)の約半分を占めるのは、《雑器の美》から 《「現在の日本民藝」》へと至る大正末期から終戦まで(注・1924−45年)のセクション。おそらくは、一般的な「民芸」イメージと最も合致する部分であろう。展覧会の全体を通覧する限り、現在の柳に対するイメージは、この部分が特に肥大化している印象を受ける〉(『工芸青花』8号)
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なぜ〈肥大化〉したのでしょう? 白土さんはいまの民藝館のなかで、おそらくもっとも「歴史家」意識のつよい人です(公開、公刊されていない館蔵資料をたんねんに調査して企画展に結実させています)。その白土さんの持論──「民芸」は思想的にも収集の割合でも柳宗悦の(民藝館の)一部であり、全体ではない──を念頭に、あさっては話をはじめられたらと思います(高木さんもたぶん同意見です。途中まで?)。あとは魯山人、出川直樹ら過去の民芸批判を、現代の民芸論者はどうやって克服したのかも訊いてみたいと思います。





20190211

今週土曜(16日)夕、以下のトークに参加します。
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■バブルラップ展を契機に、生活工芸辺りを考えてみる
□2月16日(土)1630@カイカイキキギャラリー(広尾)
□安藤雅信(ギャルリももぐさ)+菅野康晴(工芸青花)+村上隆(バブルラップ展キュレーター/アーティスト)
https://www.facebook.com/takashi.murakami.142/posts/2016122898-453956
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熊本市現代美術館で開催中(3月3日まで)の「バブルラップ」展会場には、村上さんによる「はじめに」的な文章がかかげられています(村上さんのSNSでも読むことができます)。
https://www.facebook.com/takashi.murakami.142/posts/2002276473-171932
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文中、〈近年の坂田さんの最高にして究極のセレクションは、渋谷松濤美術館で展示した、坂田さんの展覧会に出展していた、2000年代初頭の中国深圳からセレクトした作業員のぼろぼろになったランニングシャツ、そこに見る、清貧の美の極致をして、見事、柳からの脱皮を図れた〉とあるのは、写真のシャツです。たしかに柳はえらばないであろうボロであり(非−民芸)、かつジャンルとしての「ボロ/野良着」とも異質で(非−骨董)、非ジャンル的、「後期坂田」的です。
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かりに1973年にはじまる古道具坂田を、前期(→94年=museum as it is)、中期(→06年=骨董誕生展@松濤美術館)、後期(06年→)にわけるとして、さらに(図式的にすぎるかもしれませんが)前期を「西洋民芸」時代、中期を「骨董/古美術」時代、後期を「非ジャンルとしての古道具」時代とすると──『ひとりよがりのものさし』は2003年刊、村上さん文中の松濤美術館個展は2012年。ちなみに白洲正子が評価したのは「中期坂田」です──雑巾やコーヒーフィルターなど、村上さんが評価するのは「後期坂田」であり、しかも非モノ的であることが、バブルラップ展にゆくとわかります。





20190209

日本女子大の成瀬記念講堂(1906/23年)で妹島和世さんの講演。自分もここの(社会の)一員なんだと気づくための「見える化」(ガラス、ワンルーム、ズレの多用=他者の可視化)という話がよかった(そうまでしないと「気づかない」ということかもしれない)。4月には妹島さん設計の大学図書館ができあがるそうです。





20190209

森岡督行さんの「森岡書店日記」、更新しました。今回は昨年7・8・9月の日記(3ヶ月分です)。
https://www.kogei-seika.jp/blog/morioka/035.html
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〈午後、中目黒のスマイルズにて「文喫」の打ち合わせ。青山ブックセンター六本木跡地に出店することが決まる。文喫という言葉が出てからおよそ1年で着地点が見えてきた。入場料のある書店。街の書店で本を買うことが、非日常になりつつあるいま、その体験自体に価値があるだろう、という考え方がベースにある〉
……
〈新しい価値の創造があるなら、私は、あくまでも人間を肯定することに基づいてほしい〉
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〈中村好文さんが設計した赤木さんのゲストハウスに宿泊する。引き出しの中にクートラスのカルトが潜んでいた〉
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〈日高理恵子さんは30年以上も樹を見上げて、樹を描いてきた画家。見ることと描き続けることについて台風が来る直前の1時間半〉





20190207

あらたな催事のお知らせです。「生活工芸の作家たち2:ふぞろい」展(写真)も今日から再開しました(10日まで)。
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■講座|工芸と私29|nakaban|ロマネスクと私
□3月1日(金)20時@工芸青花(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=268
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■講座|河島思朗|ギリシア・ローマ神話39|ヘラクレス|12の難行その2
□3月20日(水)18時半@工芸青花(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=269
……
■講座|高木崇雄|工芸入門7|スーパーノーマルと民藝
□3月21日(木祝)15時@工芸青花(神楽坂)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=270
……
■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ45|西洋中世のタイル
□3月27日(水)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=271
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■展覧会|さる山スタイル
□3月28−31日+4月4−7日@工芸青花(神楽坂)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190301.html
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以下も引続き開催、募集しています。
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■展覧会|生活工芸の作家たち2:ふぞろい
□2月7−10日@工芸青花(神楽坂)
□出品|安藤雅信/辻和美/三谷龍二
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190101.html
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■講座|金沢百枝|キリスト教美術をたのしむ44|ロマネスクの宇宙4|ゾディアック叢書
□2月28日(木)18時半@自由学園明日館ホール(目白)
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=266
……
■展覧会|Anno Domini 2019 ロマネスクと私
□2月28日−3月3日+7−10日+14−17日@工芸青花(神楽坂)
□出品|nakaban
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190201.html





20190206

来週土曜(16日)午後、以下の座談会に参加します。21_21 DESIGN SIGHT(六本木)で開催中の「民藝 MINGEI -Another Kind of Art展」(24日まで)関連の催事です。
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■トーク「それは民藝かなにか」
□2月16日(土)14時@21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1
□小林和人(Roundabout/OUTBOUND)+菅野康晴(工芸青花)+高木崇雄(工藝風向)+森岡督行(森岡書店)
http://www.2121designsight.jp/program/mingei/events/190216.html
……
21_21 の民藝展は、いま駒場の日本民藝館で開催中の「直観」展と比較するとよいのではと思います。
http://mingeikan.or.jp/events/special/pdf/pamphlet_201901.pdf
……
民藝には「言葉(柳の文章)」と「物(民藝館の蔵品)」という、じつはかならずしも符合しない二大要素があって、どちらにひかれているかは人によってことなります(話しているとなんとなくわかります)。六本木展は前者、駒場展は後者でしょうか。写真は編集担当だった『芸術新潮』2005年の民藝館特集。「物」派でした。(菅野)











20190204

生活工芸派の「ふぞろい」について、音楽好きの知人が「グルーヴ?」といっていました。辞書では groove は「レコード・敷居などの溝。たのしい、などの俗言はレコードの溝に針がはまり音がでることから」とあります。レコード以後、すなわち工業化以後の感性ということではたしかに生活工芸の「ふぞろい」とかさなります。
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工業化社会では「手仕事=貧しさ」だったはずなのに、私たちはつい「手仕事のゆたかさ」などと安易に(ロマン主義的に)書いてしまいがちです。今展のテーマ「ふぞろい」も手仕事性のいいかえなのですが、出展作家がそれを〈ノイズ〉や〈誤差〉など、非ロマン主義的にいいかえていたのはさすがでした(展示によせたコメント)。
……
写真は彼らの作をかさねたりならべたものです。彼らのふぞろい性はこうすることでよりあらわになります。同一性(反復性)とズレ。ふつうで、ふぞろい。これが「生活工芸」のグルーヴです。
……
■展覧会|生活工芸の作家たち2:ふぞろい
□2月7−10日@工芸青花(神楽坂)
□出品|安藤雅信 辻和美 三谷龍二
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190101.html











20190202

「生活工芸の作家たち2:ふぞろい」展、開催中です(神楽坂一水寮。2月10日まで。木金土日13−19時。本日3日は青花会員と御同伴者のみ)。写真は出品作家3人(安藤雅信、辻和美、三谷龍二)によるリム皿競作(27・21・15cm)。みごたえあります。ぜひ。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190101.html











20190202

「生活工芸の作家たち2:ふぞろい」展、はじまりました(神楽坂一水寮。2月10日まで。木金土日13−19時。2日まで展示のみ、販売なし。3日は青花会員と御同伴者のみ)。
https://www.kogei-seika.jp/gallery/20190101.html
……
安藤雅信さん(陶)、辻和美さん(ガラス)、三谷龍二さん(木工)による同寸のリム皿(3種)や、昨年(ふつう展)の出品作で、今年のテーマを「ふぞろい」とするきっかけとなった辻さんの《duralex picardie reproduction》(2019)ほか、問いのこたえとなる新作を展示しています。
……
サイトにあらたに3人の文章(ふぞろい観)を掲載しました。三谷さんがいう「ノイズのよろこび」、辻さんがいう「ラッキーな誤差」、なぜよろこびなのか、なぜラッキーと感じるのか──個別性や多様性といったできあいの言葉以外で、考えられたらと思っています。




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