20260224

ここでお知らせするまえに売切れてしまったのですが、せっかくなので。2022年から、美術史家の金沢百枝さんとつづけている「ロマネスク菓子|うさわん」、今年の春はこんなふうでした(蓋絵はすべて金沢さんの手描きです)。
https://store.kogei-seika.jp/products/kashi-kanazawa-2026s

金沢さんから|
ロマネスクの旅が楽しいのは、想像を超えた発見があるから。初めて「うさわん」を見たとき、どんなに胸が高鳴ったか。その持送り彫刻(12世紀)があるイギリス、キルペックの聖堂を紹介するどの本にも「うさわん」は載っていませんでした。まだ見ぬ「うさわん」はどれほどあるだろうと、宝の山を見つけた冒険者のように嬉しくてたまりませんでした。
 ロマネスク・クッキーは、そんなワクワクを共有したくて作りました。作り手は、幼少期からお菓子好きの祖父君に連れられて日本橋や銀座のお菓子を食べ歩いていた Maravilla さん。前回とがらりと内容を変えています。チョコレートの甘さ、抹茶の香り、レモンの爽やかさなど、味もさまざま。食感もカリッ、パリッから、ほろほろと崩れそうなものまで、まるでロマネスクのように多様な世界がひとつの缶に詰まっています。箱を開けたとき、「うさわん」に出会ったときのわたしのように、みなさんのもとにワクワクが届きますように。
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そして、この春は青花室で念願の「ロマネスク展」をひらきます。監修はもちろん金沢さん。中身をすこしかえて「うさわんクッキー」も追加販売できないかな、とも思っています。

■展観|ロマネスクと私たち
□3月25日−4月6日|12−18時|青花室(神楽坂)
□監修|金沢百枝(美術史家)
□出品|中澤安奈(彫刻家)/山田洋次(陶芸家)/吉田昌太郎(骨董商)
*3月31日休
*3月25・26日は青花会員限定
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202603.html
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写真3点目は、7年まえのロンドン取材でみつけたチェス駒(10−11世紀)。









20260221

来週末になりました。ひとまずの最終回です。
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■講座|井出幸亮+中村裕太+花井久穂|生活工芸の100年:「雑誌」と「うつわ」とその時代4|1996-2020年:生活工芸と暮し系
□2月28日(土)18時@青花室(神楽坂)
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-seikatsu100-04

花井さん(東京国立近代美術館主任研究員)から|
「なんで『銀花』と『Olive』がないのですか」。(略)毎度お題目の提出順は、だいたい井出さんか中村さんが先頭打者で、井出さんが「尖端/流行」雑誌を、中村さんが「モダン/前衛・キッチュ」記事を挙げ、常にしんがりの私はその間のオーソドックスなもの(正統・専門・大衆・中庸)を選ぶようにしている。カウンターカルチャーであったものが、やがてメインストリームに取って代わるとき、当初それらが抵抗していたものが何であったかは見えなくなる。片翼を描出するだけでは、シャドーボクシングのようで構造は見えない。そんな感じで3人3様の役割分担がなんとなく決まってきていたところ、第3回目のフロアに三谷龍二さん登場。冒頭の台詞は三谷さんから放たれた矢である。マガジンハウスの代表選手『Olive』はさておき、『銀花』。流行の尖端でも、前衛でもど真ん中でもない。何事も一番乗り、若者、尖ったもの、大きいものだけを追ってしまうのは、近代の病である。三谷さんのいう「生活」とは、そう「ではない」もののグラデーションにあるのかもしれない。おおいに反省して、ものごとの途中と終わりを見届けることにしたい。
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写真は『工芸青花』17号「生活工芸と村上隆」特集より(2022年刊)。

〈今回の取材を始めるまでは、古道具坂田と生活工芸の関係考察がテーマでした。ところが辻(和美)さんと話したところ、「私は坂田さんはよく知らない。大事なのは雑誌の『クウネル』よ」とのことで、急遽高橋(みどり)さんにお話をうかがうことになりました〉(村上隆)
〈工芸作家の裏芸だった食器作りを、あっけらかんと表芸にしてしまったのが生活工芸の作家とギャラリー、そして『芸術新潮』「現代のうつわ」特集だったんです〉(安藤雅信)











20260221

岩橋直哉さんの連載「坂田和實『ひとりよがりのものさし』再読」、更新しました。第3回「平瓦」。はやくも核心にせまりつつあります。
https://www.kogei-seika.jp/blog/iwahashi/003.html

〈『ひとりよがりのものさし』の四畳半的文体は、バブル後の平成日本の〈ふつう〉を撃つものとして意識的に選ばれている。しかし三波春夫の万博音頭や八代亜紀の情念に満ちた演歌、またフォークソングさえも、坂田さんがそこからドロップアウトした昭和日本の〈ふつう〉であったはずだ。これらは単純な青春へのノスタルジアではなく一種のメタ的なパロディとして採用されており、それによって連載当時の日本の〈ふつう〉と、そこに連なる過去の日本の〈ふつう〉のふたつを同時に否定するという韜晦と屈折に満ちたものなのだ〉

*写真は「ひとりよがりのものさし」連載時(『芸術新潮』1999年1月号−2003年5月号)に撮影したフィルムです(筒口直弘撮影)。今回は坂田さんも写っています
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■坂田室
□東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/index.html





20260217

青花室、次回展のお知らせです。
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■展観|ロマネスクと私たち
□3月25日−4月6日|12−18時|青花室(神楽坂)
□監修|金沢百枝(美術史家)
□出品|中澤安奈(彫刻家)/山田洋次(陶芸家)/吉田昌太郎(骨董商)
*3月31日休
*3月25・26日は青花会員限定
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202603.html

■講座|金沢百枝+中澤安奈+山田洋次+吉田昌太郎|ロマネスクと私たち
□3月25日(水)18時半|青花室
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-kogei-89

金沢さんから|
ロマネスク展を日本で開催したいと夢見て、もう30年くらい経つ。西欧中世のロマネスク美術は、聖堂にあるか、門外不出の宝として美術館に収められているので、遠い日本での展覧会は不可能に近い。しかし、今回、思わぬかたちで「ロマネスク展」の開催が叶った。
 きっかけは坂田和實さん(「古道具坂田」店主。1945-2022)。彼の言説を繰返し読み、青花の菅野さんと議論しているうちに、日本における「ロマネスク」とは形而上的な何かであって、実際のロマネスクとは別ものではないかと思うようになった。美術史でいうロマネスク様式とは、どんなに幅広く見ても10世紀後半から13世紀に作られた西ヨーロッパの建築・美術を指す。しかし、私たちは時々、18世紀の西洋家具や民具に「ロマネスクらしさ」を見出すことがある。古道具坂田でロマネスク美術を見たことはなかったが、ロマネスク的な物を見たことは何度もある。「ロマネスクらしさ」を考えることが、じつは、ロマネスク美術の真髄を捉えることにもつながりはしないか。
 そこで、現代の優れた3人の作り手に、「ロマネスク」をテーマに制作していただいた。三人三様ながら、共通して、ロマネスクの石工のような純真さが見える。







20260216

坂田室、次回展のお知らせです。
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■展観|坂田和實の眼|古道具もの語り
□3月25日−4月6日/5月25日−6月6日|12−18時|坂田室(神楽坂)
*全日予約制/3月31日、5月31日休
*3月25・26日、5月25・26日は青花会員限定
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202603.html

春、夏、冬に展示替をおこなう坂田室、今年の春期展は、坂田さんの遺著『古道具もの語り』(2023年/新潮社青花の会)所載品を主に、約60点を展観します。〈こちらも歳を重ねて経験を積み、決められたモノの見方を少しずらしてみると、意外にも、自分の周りは面白いモノ、不思議なモノのオンパレード〉(「肌襦袢の端切れとおしめ」『古道具もの語り』)

坂田和實 SAKATA Kazumi
骨董商。1945年生(福岡県)−2022年歿(東京都)。上智大学卒業後、商社勤務を経て、1973年、東京・目白に「古道具坂田」開店。以来、年に数回、海外へ仕入の旅に出かけ、欧州、アフリカ、朝鮮、日本、南米など、さまざまな国の品物を扱う。1994年、千葉県長南町に「美術館 as it is」(中村好文設計)を開館。2012年、渋谷区立松濤美術館で「古道具、その行き先−坂田和實の40年」展を開催。著書に『ひとりよがりのものさし』『古道具もの語り』、共著に『骨董の眼利きがえらぶ ふだんづかいの器』『日本民藝館へいこう』など(いずれも新潮社刊)。
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骨董界のみならず、いまでは「利休・柳(宗悦)・坂田」と日本文化の革新者の系譜でも語られる故・坂田和實(「古道具坂田」店主。1945-2022)。彼が創始した「古道具」の美学は、世代、地域をこえてさらにひろがりをみせています。青花の会が運営する「坂田室」は、坂田さんがえらんだ物、のこした物を展示公開することで、彼の美学、思想──「なんともないもの」こそ美しい──にふれる、体感する場になることを願っています。

Kazumi Sakata, the late owner of Antiques Sakata (1945-2022), is recognised as one of the innovators in Japanese culture, alongside figures such as Rikyū and Yanagi Sōetsu, not just within the Japanese antique community but in the world of art and crafts. The aesthetic of ‘antique objects’ that he pioneered continues to flourish across generations and regions. The ’Sakata Room,’ operated by the Kogei Seika, aims to be the space where visitors can engage with and experience his aesthetic and philosophy—that ‘the most ordinary things’ can be beautiful. Visitors can appreciate his aesthetics through the display and public exhibition of carefully selected objects he left behind.
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■坂田和實著『古道具もの語り』
https://store.kogei-seika.jp/products/book-sakata-1







20260215

募集はじめました。季節がめぐり、青花室(新潮社倉庫内)では3期目です。

■講座|小慢|中国茶教室|全2回(4クラス)
□3月13日+5月15日@青花室(神楽坂)
□3月14日+5月16日@同
https://store.kogei-seika.jp/products/lecture-xiaoman-2026s01

昨秋「生活工芸と茶」展を開催しました。「生活工芸の茶」とは、すなわちほぼ「小慢の茶」なのだということがよくわかりました。そこに革新性があるとすれば、それは、謝小曼さんの創意によるものです。この講座も、たんなる教室ではなく、毎回小曼さんの創意(しつらい、茶菓、とりあわせ、所作……)に瞠目する、茶会のようなときをすごすことができます。





20260213

どの季節も取材しているはずなのに、真冬の印象がつよい。「たてる」と「いれる」をひとつにした人。言葉を信じていない。『工芸青花』次号では、そもそもが虚、ゆえにもどることのない「京都」が語られます。

■『工芸青花』定期購読
https://store.kogei-seika.jp/products/4
■川瀬敏郎『花をたてる』
https://store.kogei-seika.jp/products/613
■川瀬敏郎『四時之花』
https://store.kogei-seika.jp/products/book-kawase-1
■川瀬敏郎『花鏡』
https://store.kogei-seika.jp/products/book-kawase-2







20260211

更新しました。第2回は「ドゴン族の柱と扉」。

■岩橋直哉「坂田和實『ひとりよがりのものさし』再読」(毎月更新)
https://www.kogei-seika.jp/blog/iwahashi/002.html

〈利休から柳に、柳から坂田さんに受け継がれていったものはモノではない。皆がいいということに流されず、生きるために、生きのびるために、美しいとは何かを自分の眼と頭と心で問い続ける姿勢なのだ〉

『芸術新潮』連載時(1999年1月号−2003年5月号)、撮影はすべて美術館 as it is でおこなっていました。この岩橋連載では、ひさしぶりに当時のポジフィルムをみなおし、おもに別カットを掲載しています。
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■坂田室
□東京都新宿区矢来町71 新潮社倉庫内(神楽坂)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/index.html





20260205

古美術柳(故・柳孝)、栗八(高木孝)、そして花元──世代をこえて、石(石造美術)につよいのはこの3人、と、今日取材した骨董商はいいました。熱意と膂力もないとできないことです。会期のこり2日間、石塔石仏は販売済のものも展示しています。青花室の企画展では、すでに最多の来場者数になりました。

■展観|石のもの:国東の石塔その他
□1月25日-2月6日|12-18時|青花室(神楽坂)
□出品|安東敬三(花元)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202601.html
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以下も同時開催しています。

■展観|坂田和實の眼|建築家・中村好文との縁
□1月25日-2月6日|12-18時|坂田室(神楽坂)
*全日予約制
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202511.html







20260204

会期、のこり3日間です。アフリカの土偶、須恵器、アメリカの時計、泡立器、埴輪……。出品はなるべくくりかえさないようにしているので、つぎはいつかな、もしかしたらもう......と思うとさりがたくなります。

■展観|坂田和實の眼|建築家・中村好文との縁
□1月25日-2月6日|12-18時|坂田室(神楽坂)
*全日予約制
https://www.kogei-seika.jp/gallery/sakata/202511.html
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以下も同時開催しています(どなたでも御覧いただけます)。

■展観|石のもの:国東の石塔その他
□1月25日-2月6日|12-18時|青花室(神楽坂)
□出品|安東敬三(花元)
https://www.kogei-seika.jp/gallery/seika/202601.html









20260202

古美術栗八・高木孝さんの連載「新骨董入門」更新しました。今回は「西洋のノコギリと定規」。
https://www.kogei-seika.jp/blog/takagi_shin/006.html

〈あまり切れそうにない古びたノコギリと、インチ目盛と思われる折りたたみ定規ですので、飾り映えもしませんし、あまり役に立ちそうにもありません。私はその辺が坂田さんらしいセレクトと思うのですが、この手の品を、坂田さんが「これ」と選ぶ際の(琴線に触れる)基準みたいなものが、多分あったと思うのですが、坂田さんが亡くなった今となっては、それぞれの方が思いめぐらす「坂田イズム」以外に、それを推しはかる術はありません〉
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古美術栗八・高木さん監修による骨董通販サイト「seikanet」も公開しました(月2回更新)。

seikanet|online antique store|古董邮购网站
https://store.kogei-seika.jp/collections/seikanet-113.html




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